しかもこれだけ仕事が難しくなっても、
給料は以前と同じ『正確に一人処理する毎に5クレジット』
で変わらない。このままでは家賃・食費・暖房費が払えず
自分や家族が空腹や寒気による病気で倒れてしまう。
そのためにも、主人公は給料以外でお金を稼ぐ必要があった。

例えば、入国希望者の「頼む、お金あげるから許可して!」
とか、入国してきた会社の社長の
「もしエンジニアが入国してきたらこの名刺を渡して下さい。
これを見て電話をかけてきた人の数に応じて報酬を支払います」
というお願いを聞いたり。

それ以外にも、仕事仲間の警備員からこんな話を持ちかけられる。
「なあ、実は俺たち警備員はお前が犯罪者を2人捕まえる度に
5クレジットのボーナスが入るんだ。
だから、ただの書類の不備とかじゃない
偽造書類を渡してきたり密輸をしようとする犯罪者を見つけたら
面倒くさがって入国拒否で帰したりせず捕まえてくれよ。
そうしたらボーナスの半分を渡すからさ」
実際には「すまない、妻がインフルエンザで金が必要なんだ」
とか言って約束より少ない金額しか渡してくれないが
本来渡す必要の無い金を少しでもくれるだけでもありがたい。

そして、問題は金銭面だけではない。
主人公が勤める国境検問所は
アルストツカが数年前に戦争でコレチアという国から奪った領土に
建てられたもので、コレチアにとって因縁がある場所なのだ。
そのため、たった1ヶ月の間に何度もテロリストに狙われる。
主人公はそれに対応するために前述の麻酔銃で応戦したり
時には爆弾を解体する事もあった。

テロリストの脅威がアルストツカ全体に広まり
アルストツカ国民にも疑いの目を向けた政府は
『アルストツカ人が入国しようとしてきたら
許可・拒否に関わらずパスポートを没収するように。
一切の例外は無い』
と命令してきた。主人公は日々の生活のため仕方なく従い
何人ものパスポートを没収し、
その日の仕事を終えて自宅に帰ると
自分自身と家族のパスポートを没収されてしまった。
そう、パスポートの没収に一切の例外は無いのだ

そして翌日、テロリストを調査する秘密捜査官が来た。
「近いうち、入国管理官をテロリスト調査する事になった。
君は私が調査しよう。何、恐れる事は無い」
数日後の調査を知った主人公の行動は…