(亡命エンド)
それを聞いた主人公は不安になった。
テロリストの手助けをしてしまったかも知れないし、、
まったくの無実でも、疑わしいだけで捕まるかも知れない。
しかし国を出ようにも、パスポートは没収されている。

そう悩みながら仕事をしていると、
ジョルジという見知ったおじさんがこんな事を言ってきた。
「アルストツカ、最近おかしいな。
なあ、オブリスタンという国に来ないか?
寒いけどいい国だよ。ほら、これ見ろよ」
と言って見せてきたのは、なんと書類偽造業者のチラシ。
なんでも、誰の物でもいいから
本物のオブリスタンのパスポートを持ってくれば
依頼者のパスポートとして書き換え
その他の書類も準備してくれるとの事だ。
そしてジョルジは、なんと自分のパスポートを渡してきた。
「このオブリスタンのパスポート、お前にやるよ。
俺は大丈夫だ、今までどおりなんとでもなる。
家族も一緒に亡命するならもっと必要だろうけど、
お前ならなんとかできるだろう。じゃあな」
そう言ってジョルジは去っていった。

さて、オブリスタンのパスポートをもっと手に入れるには
どうしたらいいのだろうか。
…入国してくるオブリスタン人から没収すればいいのだ。
もちろん、そんな事が仕事上認められるはずはないが
勝手にパスポートを没収しても、その罰則はごく軽い。

こうして家族全員分のパスポートと
書類偽造業者へ支払う代金を得た主人公は家族と共に
朝早くに町を抜け出し、国境付近にある業者の元へ向かう。
そして偽造してもらった書類は、酷い出来だがもう後には引けない。
主人公たちは国境へ向かい、オブリスタンの入国審査を受けた。
入国審査官は全員の書類に入国許可のスタンプを押すと
「オブリスタンへようこそ!」
と言って通してくれた。亡命に成功したのだ。

ところで、偽造されたオブリスタンのパスポートを使って
オブリスタンに入国したわけであって、
つまりは書類を信じるのならば自国に戻ってきた事になる。
しかし彼は、まるで外国人が訪れた時のような声をかけてきた。
つまり、偽造されたものと知った上で通してくれたのだろうか?
ともかく、安堵した主人公はこう叫んだ。
「オブリスタン万歳!」