イハルは母子家庭だった
ある程度成長し、反抗期を迎えているイハルに対し母親はどうすることも出来なかった
母親だからといって子育てのプロフェッショナルという訳ではないのだから、これは仕方がないのかもしれない。このことに関してイハルは責めるつもりはなかった。

母親は、ただただイハルが世間に迷惑をかけないようにという自分本位の心配ばかりで、必要以上に世間体を気にする古いタイプの考え方をしていた。
そんな母親にも、迷惑をかけている自分にも、イハルはうんざりしていた

「育ててくれた事には感謝しているが」

この後は ある日聞いたラジオDJの言葉が続く

「産んでくれと頼んだ覚えはない」と。

虚無だ 何をやっても虚しくてたまらない
痛くないなら今すぐに死んだって構わない