家賃2万8千円、塩原さんが住んでいたアパートを訪ねた
塩原さんは新宿区西早稲田の木造アパートで生活をしていた。築50年以上、風呂はなくトイレも共同、一部屋の家賃は2万8千円。定職につかず、親からの仕送りも受けとっていたという。アパートのオーナーに話を聞いた。

彼は内気で、とても社交的とは言えない性格でした。自分からは何も話そうとしなかった。独り身で、彼女や友達なんかをアパートにつれてきたり、外に飲みに出ることもなかった。通販をよく利用していて、家にいることが多かったという印象です。

「ツイッターに大腸ガンを患っていたことを書いていましたが、それも事実です。昨年、3カ月分の家賃を持ってきて、『これから入院する』と話していました。手術もうまくいって、これからってときにあんなことで亡くなってしまって……。
父親は某教育機関で教授を務める、いわば地方の名士。母親は学習塾で働いていた。取材班は塩原さんの地元を訪ねた。
高校の同級生によると、「物静かで目立つ印象がなかった」という。高校卒業後はアメリカに留学し、その後、中央大学に在籍したという。

だが、40歳を超え、弁護士を目指したが不合格。職もなく独身の塩原さんにとって、唯一の居場所が「ニコ生配信」だった。

「DNA採取といった身元の確認作業のため、11月のはじめ警察の方とともに親御さんが来られたのですが、既に諦めていたようで遺品を整理されていました。

愛媛の母親「私たちはネットなど見ていないし、息子が配信などしていることも知らなかった。まだ遺体も会えてなく、葬儀もできていません。仕送りはしていましたが、自立は出来ているものだと思っていました。これ以上は……すみません」