国家レベルでの経済力とは、お金がどれだけあるかではなく、
設備や人の生産能力、生産性がどれだけ高いかである。

対外純資産は全世界で27年連続で日本が1位だが、逆に最下位はアメリカである。
だからといって日本が世界一の経済大国でアメリカは世界一の貧困国ではないことでもわかる。
金をどれだけ持っているかが経済力ではない。

また家計と国家の財政を同一視する人が多いが、
家計にとっては目先のことだけを見れば、少しでもお金を使わず節約して生活することがいいのは確かである。

しかし、その家計がどこも節約してお金を使わなければ当然、国家レベルでは消費が落ち込んで不景気になる。
さらに物が売れず企業は売上が落ち込むから従業員、家計の給料も下り所得が減ってさらに消費が落ち込み、その負の連鎖が続いて国民の貧困化が進む。
また、この節約することはいいことだという家計の感覚を政府に求めれば、政府は財政投資を減らし国家レベルでは消費も投資もさらに落ち込んで不景気になって
経済が縮小し税収も減ってデフレで借金の額の価値も上がってしまうし国家財政も悪化していくわけです。

目先のことだけを考えれば個人、家計レベルではいいことでも、中長期的に国家単位で見れば悪いことで、
それがいずれ自分に返ってきて自分が苦しむことになる。

このように自分目線や一面だけではなく、大局的視点で捉え全体像で見なければ物事の本質は理解できないし、
正しいと思ってやっていたことも、実は自分の首を絞めることだったとわかるのです。

1本の木だけを見てその木の周囲を覆う木の集まった森を見ずでは、物事の本質は理解できない。
森を見た上で木を見なければいけないのです。


2018年 日本の対外純資産は328兆円余 27年連続世界一

1位 日本 328兆
2位 ドイツ261兆円
3位 中国 205兆円


最下位 アメリカ −886兆円