「3年前の私は、何事においても頼りない、寄る辺なき人間でした。
電車で眼の前にお婆ちゃんが立ってるのを見た時でもいい、
難しい数学の問題を解いてるときでもいい。
何らかの難事に直面した際に、勿論当時の自分は自分なりに
最善と思える行動を懸命に探って取ってきたけれど、
その一つ一つの判断に対して、何の自信も持ててなかったのです。
本当にこれで正しいんだろうか?と常に不安で仕方なかった。
生まれたての子鹿のように、足取りの不安定な生き物だった」