限りないもの それが植毛
流れゆくもの それが育毛
こどものときほしかった カツラ
母にねだり手に入れた カツラ
いつでもそれをどこでもそれをかぶっていた

ある日僕はおつかいに街に出て
アデランスのまえで立ち止まった
素敵なヅラが飾った ショートボブ

限りないものそらがカツラ
流れゆくものそれがカツラ
僕が二十歳になったときサクセスに出会った
君がぼくのすべてだと思ったきた
すてきな育毛剤をほしいとおもい求めていた

育毛剤と僕が頭皮で結ばれて
ビタミンBと毛根が絡み合うその毛先
その毛元が なんだか サクライは見飽きたようで
嫌になる
やがて僕は年をとりハゲ散らかし
ぼくのはそれを当たり前とおもっている
それでも僕はどうせはげるなら

ステロイド ハゲ