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ここだけ殺人事件
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0001名無しのオプ
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2010/10/10(日) 07:44:38ID:rMLfT7FS
>>100 第一の殺人
>>300 第二の殺人
>>500 第三の殺人
>>700 第四の殺人
>>900 探偵の推理

それではどーぞ。
0101名無しのオプ
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2010/10/30(土) 15:40:19ID:KrsJwoOK
俺の名前は白鷺小五郎、私立探偵だ…
今日もまた、厄介な事件を抱えた依頼人が新宿歌舞伎町のオンボロ雑居ビルの俺の事務所のドアを叩く。
0102名無しのオプ
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2010/10/31(日) 10:58:28ID:xHhUqf3J
「入りたまえ」
ドアが開くとマサカリを振り上げた男が俺をめがけ
0103名無しのオプ
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2010/10/31(日) 13:40:39ID:vd5N8vYp
「…! 何をする…!」
男はハッとしたように手を止め、白鷺の目をじっと見据えた。「息子を…私の息子を、助けて下さい…」
0104名無しのオプ
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2010/10/31(日) 13:48:56ID:BKPMlxxs
「泌尿器科は下の階だ」
そう、男は下半身に何も穿いていなかったのである
0105名無しのオプ
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2010/10/31(日) 16:49:21ID:vd5N8vYp
「中林君!そのくだらないテレビの音を消してくれないか。…とにかく、事情を話して下さい」
白鷺は男の手からマサカリをもぎ取ると、古びた応接セットのソファに座らせた。
0106名無しのオプ
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2010/10/31(日) 22:35:01ID:xRzHo1/l
「先生、ぼくの名前は中村です。そろそろ覚えて下さい」
「そうか、なかきすんくんだったな」
典型的なボケをかまし、俺は依頼人に向き直った。助手の中林、じゃねぇ中村も隣に座る。
しかし中村が座った瞬間、オンボロソファの板をぶち抜き、尻餅をついてしまった。
「バカな助手は無視して下さい。お話を伺いましょう」
0107名無しのオプ
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2010/10/31(日) 23:41:19ID:BKPMlxxs
ズボンを穿きながら男は答えた。
「実は脅迫状が届いたんです。以前からも息子の周囲で度々不審な出来事が起こっておりまして
その矢先に届いたものです。」
「警察には相談したんですか?」
「ただのイタズラだろうと言って取り合ってくれませんでした。」
「では、その脅迫状を見せてもらえますか?」
0108名無しのオプ
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2010/11/01(月) 16:56:44ID:TXqJ6994
「あの」
中村が口を挟んだ。まったく、肝腎な時に煩瑣い奴だ。
「……何で下半身裸だったんでしょうか」
依頼人は何故か、それを聞いてもらいたかったらしい。笑顔で説明を始めかけたため、俺はさえぎった。
「あなたは全国下半身で歩こう会の会員なんでしょう。そんな話は後にして脅迫状を」
「ち、違います。これにはワケが」
「ワケでもワカメでも何でもいい。ご依頼の案件には関係ないんでしょ」
「それが、大いに関係があるんです」
さしもの俺も、意表を突かれた。下半身裸が、一体探偵事務所への依頼に如何なる関連性を有するのだろうか。
「では、説明して下さい」
いい年したオッサンが何故下半身裸でいるのかなぞ大して興味はないのだが、俺はしぶしぶ尋ねた。
0109名無しのオプ
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2010/11/01(月) 17:02:51ID:TXqJ6994
「実は、私は全国下半身で歩こう会ではなく、全裸を愛好するジャパン・ヌーディスト・クラブ、
略してJNCの副会長補佐なんです。ただ、町中を全裸で歩くわけにはいかないので、こうして下半身だけ」
なら上半身裸にしろよ。何でそこで下を選ぶんだ、下を。しかも副会長補佐ってすごい中途半端なポジションだな。
「で、JNCだかJCBだかが何の関係があるんです?」
「実は私の息子が、JNCの副会長なんですが」
息子が副会長で、親父がその補佐。何だか妙な人間関係のようである。
今回の依頼はJNCだかJICAだかが肝らしい。いずれにしてもここで息子が登場し、一応ようやく話が繋がった。
0110名無しのオプ
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2010/11/01(月) 21:46:01ID:GHHCntie
「中村君!だからそのビの音は消してくれと言っただろう!…いや、失礼しました。
 さきほど>>106でも言いましたように、彼はなかなかバ…いや、味のある助手でしてね。さあ、改めてお話を伺いましょう」

 男はぽかんと口を開けて白鷺と中村の顔をしばし眺め比べていたが、やがておずおずとした調子で事の顛末を話し始めた。
 「実は…私の息子、いや、本当は息子ではなく…なのですが…」
 「はっ? 今、何とおっしゃいましたか?」
0111名無しのオプ
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2010/11/01(月) 23:53:42ID:hc/S1+cR
頭にヌルりとした感触が走る。
そうだ、俺は>>102で頭をカチ割られたんだった。
今までのは死ぬ間際に見るアレなのか・・・。普通なら人生を振り返ったりするものだと思っていたが。

もうすぐ俺は死ぬ・・・。だが・・・
中・・・村君な・・・ら・・・きっと・・・解い・・・て・・・
0112名無しのオプ
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2010/11/02(火) 00:46:32ID:6aGGmq77
「ナーカームーラーくーーーーーん!だからテレビを消したまえ!
 …いや、失礼しました… ええと…さきほどは何とおっしったのでしたっけ?息子さんではなく…?」
0113名無しのオプ
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2010/11/02(火) 01:18:29ID:RhFiixwk
「先生、先週から電気が止められてるのにテレビがつくわけないじゃないですか。現実を受け入れてください。」
そうだった、早く目の前にある依頼をこなして報酬を得なければ。
「それで、息子さんではなくなんですって?」
0114名無しのオプ
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2010/11/02(火) 09:40:41ID:AFC5F0on
「もしかして股間のムスコさんですか?」
俺の我慢も限界に達した。俺は立ち上がって、マヌケ面の中村をブン殴った。
「失礼しました、ウチはアウトローな事務所でしてね。…お話を続けて下さい」
依頼人はもはや青褪めて脅えきっている。まずい、このままでは仕事を依頼する前に逃げられてしまう!
0115名無しのオプ
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2010/11/02(火) 13:02:03ID:29N33pXg
モスコミュールを飲りながらムスコ見ゆる。
そこには手入れのされていないS&W・M36・2インチモデルがあった。
思わず「フッ」と侮蔑の笑みが漏れる。
0116名無しのオプ
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2010/11/02(火) 13:35:09ID:AFC5F0on
「おい、中村くん。何だそのケータイは。モデルガンのCMやってるな」
「ワンセグケータイですよ。これでテレビが見られるんです」
「そ、そんな画期的なシステムがあったのか! 何で今まで教えてくれなかったんだ」
「所長はアナログ過ぎるんですよ」
「ふんっ…あっ、もう1時半だ。おい、昼ドラやってるだろ」
「あの…」
しまった、新世紀の画期的な科学技術の進歩に気を取られ、俺はまたも依頼人の存在を失念してしまった。
0117名無しのオプ
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2010/11/02(火) 20:53:12ID:6aGGmq77
「やっぱり昼ドラは面白いなぁ!うーんこちーんちーんーーー!
 …おや、どうされたんですか…、あなた!またそんなものを持って…!」

「いや、もう結構ですから…」
 男は立てかけていたマサカリを抱え、パンツを脱ぎかけている白鷺と中村をドアの前で振り返りながら言った。
「いけませんよ!あなた!いいですか、早まってはいけません!
 安心して何でも仰って下さい。必ず、あなたを助けてみせますから」
「そうですよ、先生ほどの名探偵は日本中どこにもいません。さ、どうぞおかけになって…」
 中村はずり落ちたパンツの端をつかみながら、男の肩にやさしく手をかけ、座らせた。
0118名無しのオプ
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2010/11/03(水) 00:39:28ID:Xo4U0lc8
「結構だっつってんだろ!」
依頼人はマサカリを振り回す。
「おっと、当たったらどうするんですか。」
「うるせぇ、無駄に時間ばかりかけさせやがって。依頼人放って昼ドラ見てる探偵がどこにいるんだ。
依頼はやめだ、銀田一探偵事務所に行く。」
「ひぃ、それだけはご勘弁を。」
0119名無しのオプ
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2010/11/03(水) 01:59:46ID:/Q3CTI93
「呼びましたか?」
事務所のドアがゆっくりと開いて、銀田一がするりと入ってくる。
白鷺探偵事務所はにわかに殺気立った。
0120名無しのオプ
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2010/11/03(水) 02:17:59ID:EdpbqNX4
いや、正確には動揺したのは中村だけだった。

「…これは、これは。」
足首にパンツがまとわりつくのも気にならない様子で、白鷺はドアの方へズルズルと歩み寄った。 
「貴方がここにくることになるとは、ね」
「お前、その格好で言うことじゃないだろう。私の躾が悪かったと思われてしまう。」
「貴方に躾けられたというほどの思い出もありませんがね、私には。」
もう一つの父と子のもつれた糸が、何かを語ろうとしていた。
0121名無しのオプ
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2010/11/03(水) 07:13:00ID:8+yR0qK/
その時、俺の体がブルブルと振動した。
背広の内ポケットから携帯を取り出すと依頼人に「失礼」と告げ窓際に歩み寄る。
彼に聞かれないように携帯を開いて静かに用を済ました。

事務所のトイレが故障し携帯トイレのお世話になって早一ヶ月。
0122名無しのオプ
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2010/11/03(水) 10:17:49ID:V8BAcyKd
結局依頼人はそのまま帰ってしまい、俺は仕事を一件失った。



その3日後、俺の事務所があるビルの裏で、銀田一の他殺体が発見された。
「斧か鉞のようなもので」首を切られ、惨殺されていた。俺はすぐさま警察に出頭し、旧知の仲である
新宿歌舞伎町署捜査四課の鬼島警部に事情を説明した。「新宿鬼」の異名を取るこの警部は、オフレコを条件に
こんな情報を俺に提供してくれた。

「実は事件当夜、怪しい中年男がビルの裏で目撃されていてな、そいつは鉞を持っていたんだ」
まさか…あの依頼人が?
0123名無しのオプ
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2010/11/04(木) 02:38:50ID:GEKM6c3+
それから1週間が過ぎた。
平穏そのもので、探偵事務所は開店休業状態だ。
助手の中村など転職でも考えているのか、アルバイト情報誌を熱心に見ている。
鬼島警部とは幾度となく連絡をとっているが銀田一殺害事件の捜査に進展はないらしい。
手をつけている仕事もない。依頼人が訪れることもない。事務所内の掃除は隅々まで行き届いている。
特に俺が座る机などはピカピカに磨かれていて顔が映りそうだ。
俺は机から一枚の名刺を取り出した。件の鉞を持った依頼人が置いて行ったもので、「北林久仁彦」とある。
その隣に「北林オフィス」とその住所が印刷されている。
白鷺探偵事務所からそう遠くなかった。車で一時間もかからない。俺はしばらく考えてから立ち上がった。
0124名無しのオプ
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2010/11/06(土) 00:41:46ID:PWLsGgb9
が、やはり座った。
そう、まずは電話だ。
0125名無しのオプ
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2010/11/06(土) 01:55:19ID:zrL9jp05
心を裸にして相手と話すための儀式として俺はまず服を脱いだ。
0126名無しのオプ
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2010/11/06(土) 05:00:50ID:PWLsGgb9
「俺はなにを動揺しているんだ?」
つぶやきながら俺はシャワーを浴びた。
熱いしぶきに顔を打たせながら、北林が事務所に来た日のこと、北林が話したことを思い出した。

「息子を…私の息子を、助けて下さい…」
「実は…私の息子、いや、本当は息子ではなく…なのですが…」

彼の息子は何かのトラブルに巻き込まれている。
そして、その息子は彼の本当の息子ではなく…なんだというのだ?
そして、銀田一の突然の死。
もう二度と会うこともあるまいと思っていたはずが、奇しくも北林と出会ったにふらりと事務所に現れた…銀田一。
本当なのかどうか私自身にもわからない、私の、父。
0127名無しのオプ
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2010/11/07(日) 00:51:19ID:tOFNwaF5
事務所に一枚のハガキが届いた。「暑中お見舞い申し上げます」
・・・・・・もののあはれなり
0128名無しのオプ
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2010/11/07(日) 20:47:21ID:8s5eTcSG
「なんですか、先生。暑中見舞い葉書ですか」
コーヒーをいれていた中村が覗き込むように首を伸ばしてきた。
「なになに…、“せっかくのスレも話が全然つながってきませんね…”
 なんのことでしょうね、先生?」
0129名無しのオプ
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2010/11/07(日) 22:08:12ID:MDiHAsVo
【ACT2】

俺の名前はDrトンマ、もぐりの医者だ…
今日もまた、厄介な事情を抱えた患者が日暮里のオンボロ診療所のドアを叩く。
0130名無しのオプ
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2010/11/09(火) 00:53:28ID:yeC3PoUN
「おいおい。またスレが乗っ取られているよ。まあ困難が多いほど探偵の仕事は燃えるものだけどな!」
俺は髭を剃りながらひとりごちた。
「あれー。先生おでかけですか」
「おう。ちょっと出てくるわ。ソファでタバコ吸うなよ。お前よくソファ焦がすから」
「あーい」
「今度やったらまじ追い出すかんな!」
「あーい」
中村をおいて俺はクソ暑い中外に出た。
0131名無しのオプ
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2010/11/09(火) 01:07:36ID:yeC3PoUN
北林の仕事場は繁華なオフィス街にあった。
受付嬢に名前と要件を述べると露骨に胡散臭いものを見る目で見られ、それが中々気の強そうな美人であったから
俺はひそかに興奮した。
受付嬢は電話で誰かしらと連絡をとってから俺を狭く窓のない応接室に案内した。
勿論、お茶やお菓子もなし。歓迎されていないのは確からしい。
俺は応接室に置かれている灰皿でタバコを三本灰にした。
三本目を灰皿で消していると、ドアがあいて若い男が入ってきた。
細いフレームの中の小さい目が値踏みするかのように俺の頭から足先までを行ったり来たりした。
男は二宮と名乗った。
0132名無しのオプ
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2010/11/09(火) 14:56:12ID:bEim25XK
彼は背負っていた薪を下ろし、読んでいた本から視線を外すと言った。
「ご用件は?」
0133名無しのオプ
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2010/11/09(火) 17:30:01ID:BowGEnPZ
「実は北林久仁彦さんにお話がありまして。」
「え、何ですって。」
二宮は顔を歪める。
「だから・・・。」
「ふくか、いえ所長の北森久仁彦はお亡くなりになられました。丁度一週間前に。」
そんな馬鹿な。
0134名無しのオプ
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2010/11/09(火) 19:00:20ID:YblbYziQ
俺はイライラして答えた。
「いえ、喜多林栗彦さんにお話を伺いたいのですが」
0135名無しのオプ
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2010/11/10(水) 16:08:15ID:xjX8A6RZ
「喜多林栗彦という者は当社にはおりませんが?」
二宮は酷く冷淡に言った。俺はヤケクソ気味に
「では滝川クリステルを呼んでください!」
と言った。
0136名無しのオプ
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2010/11/10(水) 23:54:11ID:hYNwChs7
「今日はもうお引取りを。」
俺は警備員につまみ出された。
0138名無しのオプ
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2010/11/15(月) 12:02:38ID:3TsesK8A
「そう言えばさっきの二宮だか三宮だかいう奴、「お亡くなりになられました」と言っていたな。
これは敬語として正しくない語法だぞ。戻って訂正してあげなくては、あの三宮だか四條畷だかいう奴の
将来に関わるかも知れない。うん、戻って訂正してついでにもう少し詳しく話を聞かなければ」
日本一美しい日本語にうるさい私立探偵(当社比)である俺は、俺の突撃を阻止するため仁王立ちになった
警備員の急所に拳で強烈な一撃をぶち込み、警備員があの女には分からないえもいわれぬ痛みに苦しんでいる間に
ビルの中へ飛び込んだ。幸い受付嬢はこちらに背を向けて電話中だったため、俺は容易に第二関門も突破した。
後は、あの五位堂だか六波羅探題だかいう奴を見つけ出すだけだ。
0139名無しのオプ
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2010/11/15(月) 17:49:07ID:IlCSZvAZ
いつの間にか俺は警察に包囲されていた。
0140名無しのオプ
垢版 |
2010/11/16(火) 00:58:04ID:0be4MsNo
ということにならないようおれは慎重に行動しなければならない。
あの悶絶した警備員はしばらくおねんねしているだろうが、いつ正気づくとも限らない。
可及的すみやかに二宮を見つけ出し、用件をすませなくてはならない。
一階フロワーをスタスタと歩き去り、折から降下してきたエレベーターに滑り込んだ。
好都合なことに相乗りするものはいない。
おれは深く考えるときの癖でポケットの中に手をいれて小銭をじゃらじゃらいわせた。
こうするとおれの脳細胞は活性化し、感覚が鋭くなり、心が充足していくのだ。
今やおれの探偵としての嗅覚はMAXになっていた。
二宮は嘘を言っている。おれとの会見で話した内容は一から十まで虚言だろう。
なぜ偽りを話したのか?おれと北林を会わせたくないのか?二宮をしめ上げなくてはならない。
0141名無しのオプ
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2010/11/16(火) 14:16:41ID:3v+vOY+Z
その時だった。エレベーターホールに立っていた俺は、窓の外を「なにか」が通過するのを見た。
上から下に、黒い影が…
俺はすぐさま窓を開け、首を突き出して下を見た。そこは丁度、ビルの正面玄関の前だった。
先刻の警備員が股間を手でかばいながら、落下した物体をおそるおそる覗き込んでいる。
身を投げたのは、若い男のようだった。…

そこから先が大変だった。すぐさま一階へ駆けつけた俺は、突然羽交い絞めにされた。あの警備員が応援を呼んでいたのだ。
たまたま駆けつけた捜査班の中に鬼島警部がいたので助かったが、真実に続く道がまた一つ、途絶えてしまった。
ビルの屋上から落下したのは、七福神でも八百万でも九十九でもない、あの二宮、二宮三四郎なる若い男だった。

それにしても、二宮三四郎って名前をつけた親のセンスは凄いな。
0142名無しのオプ
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2010/11/17(水) 02:20:43ID:JXIF8jHL
「困るんだよねえ」
どこか上の空で鬼島警部が云った。
「あれだよね。ぼくは結構、君にはよくしているつもりなんだけどねえ」
「はあ」
俺は肩を落としながら答えた。
「ほら、よそでは話せないようなさあ、捜査状況を君にだけはオフレコで話したり、
 君の探偵の仕事にもさあ、いろいと目をつぶったり、便宜をはかったりさあ」
「鬼島警部にはいつも感謝しています」
「うん」
うだるような暑さの午後。二宮という前途ある若い男が理由もわからないままビルから身を投げた午後。
俺と鬼島警部は喫茶店で気まずい雰囲気の中、対峙していた。
「だいたいさあ、人が死にすぎなんだようねえ。まだ200レスにもいってないのにさあ。
 銀田一でしょ。二宮がいうには北林、いった当人の二宮。立て続けに三人。こりゃ、警察の仕事も大変でしょうよ」
鬼島警部はまるで他人事のように云った。
「いや。これはスレの流れというか。即興の面白みというか…」
俺はしどろもどろに云った。
「うん。でもさあ。もうちょっと控えめというか慎重にさあ、探偵の調査をしましょうよ。そうしましょうよ」
鬼島警部はやはり上の空で云った。
0143名無しのオプ
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2010/11/20(土) 02:24:28ID:aMAAVRA2
俺には三つの選択肢があった。
@ここまま北林、二宮ラインを追うこと。
これは、銀田一殺害事件とも何かしら関連しているかもしれない。
二宮が投身自殺をしたためこの線を追うことは現状かなり厳しい。
A銀田一の生前の身辺を洗うこと。案外この線から新しい事実が浮かび上がるかもしれない。
確か銀田一には田中という助手がいたはずだ。彼をあたってみるのもいいかもしれない。
B中村に暇を出し、事務所をたたんで探偵稼業を廃業すること。
俺の心はB番に傾きかけていた。
0144名無しのオプ
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2010/11/20(土) 11:36:51ID:cj8sCEo2
が、動機の線から最有力容疑者となっている俺は思いとどまった。
このまま事務所をたたんだら警察に拘束されてしまうだろう。

銀田一
北林久仁彦
二宮三四郎
この三人の中から調べるならやはり北林だろう。
そもそも本当に死んでいるかどうかすら不明なのだ。
俺は北林の周辺を洗うことにした。
0145名無しのオプ
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2010/11/20(土) 21:03:48ID:KMK59GiH

 「死んだ…?!」

 アバートの扉の前で俺は立ち尽くした。
 「そうなのよ、昨日見つかってね…怖いわよねぇ…」
0146名無しのオプ
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2010/11/25(木) 13:10:33ID:c5G7e4Bt
北林は戸籍上は百三十六歳だったそうだ。
既に死体はミイラ化していて、北林の長女・北林みなみ(七十九歳)が今、警察で事情聴取を受けているらしい。
0147名無しのオプ
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2010/12/14(火) 12:45:56ID:0YjPAP+o
俺は事務所をたたんで故郷に帰ることにした。
上野を出発した列車が青森駅に着いた。
皆誰もが無口で海鳴りだけを聞いているようだ。
俺も一人で連絡線に乗って寒そうなカモメを見詰めていたら
ふいに泣けてきた。

ああ、どうしてこうなった。
0148名無しのオプ
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2010/12/16(木) 12:37:29ID:q4d5SlYR
突然、青函連絡線トンネルを走る特急列車が停車した。おかしい、蛇尾海底駅には停車しないはずだ。
車掌が慌ただしく走ってくる。俺は車掌を呼び止めた。
「何かあったのかな? 警察の者だ。あいにく、勤務中じゃないんで身分証がないんだが」
俺は車掌に名刺を差し出した。万一の時に備えて、警察官だったころ(ウン年前)の名刺をまだ持ち歩いているのだ。
もちろん、その名刺は隙を見て、ホンモノの警察が駆けつける前に回収しておくのも忘れない。俺はこう見えても、凄腕の探偵なのだ。
「け、刑事さんですか。実は、函館駅に脅迫電話があったのです。列車を蛇尾海底で停めなければ、列車に仕掛けた爆弾が爆発するって…」
「爆弾? 犯人から何か要求は」
「函館駅にまた電話があるそうです。蛇尾海底駅で列車を停めるのが、第一の要求だそうで…」

何やら、俺はまた妙な事件に遭遇してしまったらしい。
0149名無しのオプ
垢版 |
2010/12/18(土) 10:22:43ID:+WT7pSrZ
偶々乗り合わせていた旅行好きな警視庁の刑事が二人。
亀井「警部、息子の健一が、無人のはずの海底駅で、若い女性が手を振っているのを、見たというんです」
十津川「亀さん、翌朝、女性の刺殺体が、見つかるんじゃないかね。さらに、被害者の婚約者が、東京のホテルで、謎の転落死を、遂げるかもしれないよ」
「警部、台詞が長いですよ」と、亀井は、呟いた。
0150名無しのオプ
垢版 |
2011/01/26(水) 21:04:41ID:G9qlO6Dd
============================== 完 ==============================

結局また脱線しまくって失敗したなぁ
0151名無しのオプ
垢版 |
2011/02/11(金) 14:43:52ID:d78hLDpl
もう初代スレみたいなのは難しそうだな…
0152名無しのオプ
垢版 |
2011/02/11(金) 15:09:32ID:dMpkoABN
自分の思い通りの展開にならないと気が済まない馬鹿さえいなけりゃなぁ
0153名無しのオプ
垢版 |
2011/02/12(土) 16:48:18ID:ts4td7eH
かと言って脱線しすぎるのもね・・・
ネタもやり過ぎると逆効果
0154名無しのオプ
垢版 |
2011/02/14(月) 11:03:56ID:2F+IVJzA
(銀田一)「おい! メインキャラクターの俺の出番が何でこんなに少ないんだ!」
(田中)「あれ、死んだんじゃなかったんですか? >>122で」
(銀田一)「お前はアホか、田中勇馬。俺の名前を言ってみろ」
(田中)「えっ・・・銀田一コースケさん、ですよね?」
(銀田一)「このスレの>>100以降を見ろ。全部『銀田一』ってなってるだろ」
(田中)「あっ、まさか!」
(銀田一)「そう、そのまさかさ。>>119で登場し、>>122で早くも殺されたのは私立探偵の銀田一(ぎんだ・はじめ)。赤の他人さ」
(田中)「以前からのこのスレの読者を欺くために作者が仕掛けた罠だったんですね! でも、それに何の意味が?」
(銀田一)「俺に聞くなよ。おおかた>>154が俺たちを題材にまたつまんない話を書きたいからでっち上げたんだろうよ」
(田中)「なぁんだ、そうか。さんざん失敗したのにまだこのスレを続けようなんて、>>154って相当バカですね」
(銀田一)「ああ、バカだな。お前以下だ」
(田中)「そうそう、僕以下・・・あれ?」
0155名無しのオプ
垢版 |
2011/02/14(月) 22:27:31ID:2F+IVJzA
事務所のドアを開けた瞬間、スチール机の上でなぜか銀さんがコサックダンスを踊っていた。
嬉しさが頂点に達した時、所構わずコサックダンスを始めるのが銀さんの癖なのだ。僕は訊いた。
「銀さん、何かあったんですか?」
「見て分からないか? 依頼があったんだよ、大口の依頼が!」
「へぇ、それはすごい」
「応接セットのテーブルの上に、依頼人からの手紙がある。見てみろ」
テーブルの上には、数枚の便箋がある。よく言えばおそろしく達筆な、悪く言えばみみずが這ったような文字だが…
よく見たら、パソコンの行書体で書かれたものだった。まったく、まぎらわしい!
「えー、なになに・・・私の命を何者かが狙っている。ついては貴殿に警護を頼みたし・・・オタカラジマ、ダイフゴウ?」
コサックダンスをやめた銀さんが笑いながら、
「読み間違えてるぞ。依頼人はショホウジマのオオトミ・ツヨシ氏だ」
「緒宝島」がショホウジマなのは分かるが、名前は・・・言われてみれば、「大富豪」ではなく「大富 豪」になっている。
「緒宝島は、若狭湾の沖にある小さな島だ。大富豪氏がいかに大富豪かは道中、詳しく説明する。出発は明日だ」
「明日って・・・急すぎますよ!」
「嫌なら来なくたっていいんだぞ。俺一人で行くから」
この有能なる助手、田中勇馬が行かずして、事件解決はない!
この自信に根拠はないが、僕は明日以降のアルバイトを全て断った上で、緒宝島行きを決めたのだった。
(あーあ、また孤島だよ・・・何か嫌な予感・・・)
0157名無しのオプ
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2011/02/19(土) 19:19:54ID:QZwaLPpl
「おい田中くん、見ろ。このコーヒー、よく見たらデザインがめずらしいぞ」
「もしかしてアレじゃないですか、コアラのマーチのレアな絵柄のヤツみたいな感じの」
「しかしこれBOSSじゃなくてよく見たらKASSだな…炒った豆のカスから作ったコーヒーか?」
「今はエコがはやってますからね。炒ったコーヒー豆を捨てずに再利用するのもエコですね」
「…なんかあんま当たっても嬉しくないな」

そんなこんなで、僕らは緒宝島行きの船に乗った。聞けば緒宝島行きの船は一日一往復で、しかも平日は運休らしい。
でも緒宝島には大富豪さん、ではなく大富 豪さんの一家しか住んでいないから、それで問題ないのだそうだ。
「そろそろ教えて下さいよ、その大富豪の大富豪さんって何者なんですか」
0158名無しのオプ
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2011/02/21(月) 11:06:15.52ID:pD1Fl3TT
銀「・・・大富氏はな、日本一有名なAVメーカーの総帥だ。これから俺たちが行く館の名前は「AV館」。
日本のみならず、大富氏が世界中から集めたポルノ、アダルトビデオの博物館だ」

僕のアソコはにわかに興奮し始めた。AVの博物館・・・じゃあ、その館にいる間AVは見放題?
日本のみならず世界中のAVが一堂に会して・・・ヒャッホォォォォォ! 同行してよかったぁぁぁぁぁ!!!





銀「冗談だよバーカ。大富氏は銀座にある老舗の時計店「帝銀堂」のオーナーだ」
0159名無しのオプ
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2011/02/22(火) 16:04:23.46ID:XW9fN62I
そんなこんなで僕らは島に着いた。
台風が来れば吹き飛ばされそうな桟橋で、台風が来たら吹き飛ばされそうな痩身の男が待っていた。

「お待ちしていました。銀田一様、他一名様ですね?」
銀田一は頷く。僕は他一名かいッ。
「私は大富の秘書の細井長一です。さっそく「時計館」へご案内します」
時計館? 綾辻行人じゃあるまいし。しかし、細くて長い細井長一さんって、えらく覚えやすい名前だ。
0160名無しのオプ
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2011/03/01(火) 14:33:23.74ID:kiOBjOWu
「やっぱち●こも細くて長いのかなぁ」
銀さんは相変わらずKYすぎる
0161名無しのオプ
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2011/03/10(木) 13:03:29.65ID:xNHzsm3I
「時計館なんかよりアソコに案内してくれないか」
銀田一の言葉に細井が答える。
「アソコとは何処ですか?」
「在るんだろ、黒くて硬くて立派に聳え立つ断崖絶壁が」
0162名無しのオプ
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2011/03/10(木) 16:57:31.08ID:TJNQbt8c
「はぁ…時計館は崖の上に建っているのですが」
「ああ、そう。ならいいんだ。…しかし、先が思い遣られるね」
「は? 何かおっしゃいましたか?」
「なんでもない。気にしないで下さい。…おい田中くん。早速へたばってるんじゃないよ」
断崖絶壁の上に建つ館までは、急な山道を登らなければならない。僕は早くも息が上がっていた。
頭脳派でもなく、肉体派でもない。だから、僕は探偵にはなれない。

「だから、僕は探偵になれない…」
独白(モノローグ)風につぶやく僕を、銀さんは妙な目で見ている。
崖の上に、時計塔らしき尖塔のシルエットがわずかに見えた。
0163名無しのオプ
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2011/03/31(木) 00:34:10.49ID:onMZFLzn
ふと、狼の遠吠えが響き渡った。
「な、何、今の?」
「ああ、あれは主が狼好きでしてね。シベリア狼をこの島で放し飼いにしている
のです。大丈夫です。人に慣れてますから。」
そう言うと細井はに〜っと微笑んだ。
0164名無しのオプ
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2011/03/31(木) 01:47:09.56ID:ezGfcN/P
「それは嘘だね」
突然、道端から男があらわれた。禿頭に、山羊髭を生やしている。首から聴診器がぶら下がっているから、医者だろう。
幸いにして(?)、あの変な関西弁の弁護士がまたもあらわれたわけではなかった。
「儂は村瀬、村瀬辛庵だ」
何処かで聞いたような名前だ。待てよ、獄門島の医者は辛庵じゃなくて幸庵だっけ。まったく、まぎらわしい。
医者はなんだか酒臭かった。それもそのはず、左手にウイスキーの瓶を持っている。医者は唐突にまくし立てた。
「あの吠える声は狼なんかじゃない。時計館の地下に幽閉されている、きちがいさんの咆哮さ」
はて。これまた何処かで聞いたような話だ。
「あの、ちなみにその「きちがいさん」の名前は…」
「名前? 大富与四松、大富 豪の息子さ」
「もしかして大富 豪氏ってもう死んでるんですか? 変な遺言状残して」
「は? 何を言ってるんだね? ピンピンしてるよ、年は九十一だから耳は遠いがね」
「じゃあ、孫娘が三人?」
「孫は七人いるが、今日は来てないよ。来てるのはご隠居の子供たちだけさ」
「早苗さんっていう女の子はいます?」
「さなえ? そんな名前の子はいないね。ただ、ご隠居の世話をしている住み込みの女の子はいるよ」
「その人のお名前は…」
「あんたも妙な質問をするね。まぁ、いい。名前は美也子、林美也子さ」
なんなんだこの横溝正史ワールドな島は!
0165名無しのオプ
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2011/04/01(金) 13:43:26.71ID:Sg7joUmw
☆彡ここまでの登場人物☆彡
銀田一コースケ…探偵。
田中勇馬…その助手。
大富豪…老舗時計店「帝銀堂」オーナー。子だくさんらしい。
大富与四松…その息子。
林美也子…大富豪の世話をする女性。
細井長一…大富豪の秘書。
村瀬辛庵…医者。
0166名無しのオプ
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2011/04/04(月) 10:39:18.61ID:p21A5Xkb
「この島には何か祟りの伝説のようなものはないんですか」
銀さんの質問に細井は首を傾げる。
「祟り、ですか…さぁ、そのようなものは聞いた事がないですねぇ」
「そうですか。そんなはずはないんだが…」
「銀さん、何でそんなはずないんです?」
「いや、こういう場合、大体殺人が起きたらこれはナントカ様の祟りじゃ〜って言い出すバアさんが必ず出てくるもんだろ」
確かに、そういうバアさんは横溝正史ワールドには欠かせない。
「訝しいなァ」
まだ祟りを諦めきれないのか、銀さんはしきりに首をひねっている。
0167名無しのオプ
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2011/04/06(水) 17:28:52.75ID:eVH59Mbg
そんなこんなで僕らは時計館に着いた。時計館の建物は二階建てだが、建物の中央部から時計塔が屹立している。
細井氏の説明によれば、塔の最上部の機械室は五階に相当するそうだ。
ウイスキーの瓶の中身を全部飲み干してしまった村瀬医師はだいぶ出来上がったのか、顔は真っ赤で、目が泳いでいる。
突然、玄関の扉(ライオンの顔を模したノッカーまでついている)をドンドン叩き、
「開けろぉ〜〜〜、開けろこるぁ〜〜〜!」
「酔っ払いは醜いな」
酒を一滴も飲めない銀さんが失笑する。地獄耳なのか、村瀬は銀さんの嗤笑を聞き咎めた。
「何ぃ〜、きさま探偵だろう。探偵ってのは善良な一般市民のプライバシーをほじくる仕事だろう。けがらわしい! うぃ」
「けがらわしいのはあんただろ、酔っ払い。こっちに向かってゲップすんなよ、藪医者」
「何ぃ〜」
「失礼ですよ銀さん、見た目は藪っぽくても、藪かは分からないじゃないですか」
「何ぃ〜〜〜俺の見た目が藪だぁ〜〜〜? 若造がぁ、げふ」
「実際その人は藪だよ」
玄関の扉が開き、扉を開けた男が言った。村瀬は気まずいのかそっぽを向き、男を無視して屋敷の中へ引っ込んでしまった。
「こちらは、財部村の白木多喜平村長です。緒宝島は、財部村の一部でして」
細井氏が横から説明してくれる。それにしても、またしても何か聞き覚えのある名前だ。
0168名無しのオプ
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2011/04/06(水) 21:27:54.51ID:fJI+E3WK
三毛猫「長文は読む気しないニャァ」
0169名無しのオプ
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2011/04/08(金) 16:29:36.47ID:RP53AJMr
「ギョギョギョ〜!」
銀さんがさかなクンのように絶叫した。銀さんは猫が大嫌いなのだ。
「あっち行け、しっしっ! 悪魔の手先め!」
「あの猫は誰が飼っているんですか?」
僕は細井に尋ねた。
「美也子さまですが」
「じゃあこの島で殺人事件が起きたらそいつが犯人だな。悪魔め!」
はて、銀さんはこんなに短絡的な人だっただろうか???
0170名無しのオプ
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2011/04/13(水) 22:20:09.58ID:KImoTR2s
「やぁ、きみが銀田一くんか」
「日本の大富豪」のサンプルのような初老の男性が、玄関ホールにあらわれた。
もしデアゴスティーニが「週刊 日本の大富豪」を出したら、間違いなく創刊号で特集されそうだ。
「いかにも私が銀田一です」
銀さんはめいっぱい胸を張って応じたが、虚勢を張っている感はぬぐえない。
「そういうあなたは、大富豪さんですね?」
「いかにも」
オオトミツヨシ氏はダイフゴウらしく、鷹揚に頷いた。
「早速、依頼について詳しく説明したい。私の書斎に来てくれ」
0171名無しのオプ
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2011/04/20(水) 16:39:23.30ID:13kV3iWh
「五月蝿いよ、金持ちだからって上から目線で見んなよ」と機嫌の悪い銀田一。
どうやらあの日らしい。
0172名無しのオプ
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2011/04/21(木) 16:02:05.24ID:xYfNSDb1
「それは違うだろう。大富さんが金持ちだから上から目線なのではなく、銀田一くん、
他人のプライバシーをほじくる探偵が賎民だから、自動的に富豪や医者はきみに対して上から目線になってしまうのだよ」
いつの間にしらふになったのか、山羊髭の医者がさらに銀さんのプライドを逆撫でした。
「ちっきしょー、誰がテメエらの依頼なんざ受けるもんか! 帰ろう、帰るぞ田中!」
「おいおい、落ち着きたまえ、銀田一くん。難問を解決してくれた暁には五百万でも一千万でも、きみの言い値を払おう」
「ではさっそく大富さまの書斎でお話を伺いましょう」
魯迅の阿Q並みの情けなさを発揮し、賎民探偵・銀田一は揉み手しながら言った。
0173名無しのオプ
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2011/04/22(金) 07:12:44.91ID:163fuFsB
書斎の扉を開けると中には買い占められた納豆、ヨーグルト、カップ麺、飲料水、乾電池、トイレットペーパー、タバコ
が溢れんばかりに置いてあった。
0174名無しのオプ
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2011/04/23(土) 13:59:11.14ID:EVKajIuf
「な、何でこんなものがこんなに…」
「孤島に住むのはなかなか大変でね。物資は常に十分に備蓄しておかねばならないのだ。
震災の時に買い過ぎて、台所におさめきれなくてね」
「ハァ…でも、これじゃこの書斎が使えないですよね?」
「ウン。まぁしかし、隣に六十畳の私専用の寝室があるからね」
旅館の宴会場並みの広さだ。さすが大富豪の大富豪氏、スケールが違う。
「じゃあお話は寝室で…」
「だめだ。私の寝室には特殊な防犯システムが備えつけられていてね。静脈認証で、私以外は中にはいれないのだよ」
銀さんは大富豪氏に聞こえないように、
「おい、今のうちにその妙な防犯システムを突破する策を考えておくべきかもしれないぞ」
「えっ銀さん、まさか大富豪の寝室が見たいんですか?」
「違うよバカ。大体こういう場合、防犯システム完備の部屋でこのクソ成金が殺されて密室殺人っていうパターンだろ」
0175名無しのオプ
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2011/04/25(月) 19:22:49.15ID:eoVswB2c
「あの、じゃあ、ご依頼について伺いたいんですが」
「これは失敬した。まぁそこにかけたまえ」
大富氏はそう言って自分専用らしい黒革のスツールに腰を下ろしたが、僕らは座る場所がない。
「あの、何か座るものは…」
「ああ、そこにカップめんのダンボール箱がある。中身が詰まってるから、そこへ座ってくれ」
なんたる扱いだ。しかし銀さんは意地でも事件を解決して言い値をふんだくる気らしく、何も言わずに座った。
しかたがないので僕も座…
「ひぇ〜」
「ああ、勘違いしていた。そのダンボールは空っぽだった。ごめんね」
「丁度いいじゃないか。尻餅ついて聞いてろ。ではお話を伺いたいのですが」
今の僕くらい間抜けな姿勢で依頼人の話を聞く探偵助手がかつていただろうか…
0176名無しのオプ
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2011/04/27(水) 16:03:45.89ID:b4wGq9sW
「実は、私は何者かに命を狙われている」
「身辺警護は一日三万円、諸経費別でいただきます」
「殺人を予告する脅迫状が届いたのだ」
「では脅迫状を鑑定し精査しなければ。脅迫状の文書鑑定は一通につき一万円です。二通目からは二割引!」
「しかも一週間前、ロマネ・コンティをまぁ軽く一杯やったら、塩味がした。私の気づかないうちに、
ワイングラスに誰かが塩を混ぜたのだ。翌日届いた脅迫状にはこうあった。『次は毒だぞ』」
「毒味は危険度が高いので、一回につき五万円いただきます。万一、毒が混ざっていて毒味した人間が死んだ場合は
損害賠償も請求します。まぁ毒味をやるのは助手ですから、コイツの人間的価値から考えて、賠償金は…
まぁ、大富さまには後々、諸経費を含めた多額の報酬を請求するでしょうから、百万円にまけておきましょう」
「さらに四日前、私にあてて小包が届いたのだが、中に爆弾が仕掛けられていて、爆発した。
幸い、荷物を置いてあった居間が無人だったので誰もケガはなかったが」
「それは大変だ。では早速、今日から荷物の開梱は全部この田中がお引き受けしましょう。荷物一個につき手数料一万円。
爆発物で開梱している人間が死んだ場合の損害賠償は百万円です」
「けっこう。よろしく頼むよ、銀田一くん」
「お任せ下さい。大富さまの命は何に代えても死守しましょう」
僕の命を守る気はないらしい・・・ショボーン。
0178名無しのオプ
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2011/05/05(木) 20:33:34.44ID:3aouV0p4
「なんだこの声は! もしや大富さまの命を狙う殺し屋が早速…」
「銀さん、あそこあそこ」
その声は殺し屋のものではなく、部屋の隅の鳥籠の中のオウムのそれだった。
「ナゲーヨ、ナゲーヨ、ナゲーヨ」
「なんだまぎらわしい! しかもなんだナゲーヨって。こういうシーンなら鳥は「ネヴァーモア」だろ!」
「何ですかそれ?」
「ポーも読んでないのかお前は、この大ぶぁかものぉ!」
今日の銀さんはなんだか横山弁護士みたいだ。
0179名無しのオプ
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2011/05/13(金) 07:07:34.96ID:Go1fn1Vj
一人でオナニー文章書いててむなしくならない?
0180名無しのオプ
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2011/05/13(金) 13:15:02.48ID:Go1fn1Vj
心機一転新たなる物語が始まる。
0181名無しのオプ
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2011/05/13(金) 14:48:14.78ID:dGvukRK8
冷たい雨が降る10月のある日、インカ神話によるクスコ王国の国王であるマンコ・カパックのペニスが勃起していた。
0182名無しのオプ
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2011/05/15(日) 11:28:18.22ID:SygIEgxb
>>179
「大馬鹿者! むなしさを恐れる者がそもそもオナニーなぞするものか!」
マンコ・カパックは誰にでもなく絶叫しながら玉座の上でオナニーにいそしんでいた。
0183名無しのオプ
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2011/05/16(月) 03:51:24.34ID:qvbz+R5u
殺し屋銀さんはメガネっ子を降り払って走る、ひた走る、とことん走る。何故かというと・・・
0184名無しのオプ
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2011/05/21(土) 18:39:54.07ID:HaDlPFRb
>>96で指定された最初の殺人が近いからだ。
自己完結のレスはボケも突っ込みも出来ないから注意。

登場人物一覧
@JIN  英国出身らしい。「イギリスならジンだな。イギリスジン」
A
0185名無しのオプ
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2011/05/22(日) 02:12:33.32ID:Sn2N2rPY
次のレスを縛るような手渡しの仕方もよくないから注意
0186名無しのオプ
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2011/07/10(日) 23:09:10.49ID:i3txLyIr
事情を知らない片山元が所轄に転勤してきた
(……これでいの?)
0187名無しのオプ
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2011/07/11(月) 20:04:30.19ID:OUeKrTfk
片山の配属先は、「特命係」なる謎の部署だ。
しかも、その部署に所属しているのは靴下霧氷なる、相当変人の警部らしい。
0188名無しのオプ
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2011/07/12(火) 23:45:43.08ID:W8b0E+0n
片山は平巡査でありながら全国各地を渡り歩く相当変な設定の刑事である。
0189名無しのオプ
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2011/07/13(水) 00:02:33.97ID:ImSoIV8s
半年〜一年のスパンで北海道警から沖縄県警までをひたすら異動し続けているため、別にそこまで無能ではないにも
かかわらず昇進試験を受ける暇がないために、未だに平巡査なのだ。

さて片山が配属された「特命係」だが、ここで特命係の相棒、靴下霧氷について読者に若干の説明が必要だろう。
0190名無しのオプ
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2011/07/19(火) 12:02:23.57ID:5NdGjzyJ
靴下は頭狂大学呆学部卒。英語のほかフランス語、ドイツ語、ロシア語、スペイン語、中国語、韓国語、
ヘブライ語、ラテン語、イヌ語、ネコ語を解し、漢文も白文で読める、なんだかよく分からないが凄い刑事である。
0191名無しのオプ
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2011/07/20(水) 22:34:05.90ID:2PM/+erf
対する片山は頭に血が上るとハンガーを振り回して暴れる、違う意味で凄い刑事である。

この二人が焼き鳥屋で砂肝をつまみに生ビールを飲んでいた。
0192名無しのオプ
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2011/07/21(木) 21:03:48.93ID:YZLrW8UA
特命係というのは仕事のない窓際の部署と思いきや、事実はテレビドラマよりも奇なり。
片山は着任早々、強盗が立てこもるコンビニに丸腰で突入させられるわ、無理矢理爆弾処理班に参加させられて
爆発物をたった一人で処理させられるわ、警察犬のトレーニングセンターで犬に追い掛け回される犯人役をやらされるわ、
さんざんな目に遭った。上司の霧氷は、なぜか必ず特命係の部屋で留守番をしている。
そんなわけで、片山は特命係という部署がほとほと嫌になっており、この日も砂肝をつまみに生ビールを飲みながら、
ひたすら人事部に対する恨みつらみを霧氷に愚痴り続けていた。
0193名無しのオプ
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2011/07/30(土) 16:41:42.01ID:CahXchqq
そこへ、鑑識課の骨沢がやってきた。
0194名無しのオプ
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2011/08/01(月) 14:32:04.73ID:BHiUi4E9
どうしたことか、骨沢の表情は妙に曇っている。
何事かと問おうとした、その一瞬早く、骨沢が口を開いた。
「あ、あの、あの、あ、あ、足、足跡が……」
0195名無しのオプ
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2011/08/01(月) 19:17:00.70ID:mN5NcvoG
そこへ、捜査一課の粥見と三崎もやってきた。
「特命係の片山ぁ〜!」
0196名無しのオプ
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2011/08/05(金) 19:36:33.07ID:+aA2VECS
「なんだ、捜査一課の粥見ぃ〜!」
犬猿の仲の片山と粥見がメンチを切って睨み合う。

しかし「犬猿の仲」と思っているのは2人だけで、他人の目には「仲良くじゃれ合っている」ようにしか映っていない。本人たちには不本意だろうが。

ちなみに、影で女子職員に「カユミン」と呼ばれていることを、粥見は知らない。
0197名無しのオプ
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2011/08/06(土) 07:30:47.91ID:askkspBv
そこへなぜか刑事部長の渕村、参事官の赤園までやってきた。
「バカモーーーーーーン! お前ら何サボってる!」
0198名無しのオプ
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2011/08/09(火) 15:14:29.15ID:qIcjrNi9
警察庁の鉈田官房長までやってきた。
「靴下、回転寿司でも食べに行かない?」
0199名無しのオプ
垢版 |
2011/08/10(水) 14:53:37.61ID:i3+uSM0h
============================== 終 了 ==============================
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