>>60
いやー、『スタープレイヤー』も『ヘブンメイカー』も細かな所作や機微まで本当に丁寧に書くなと感心しきりですよ。
憶測だけれど、大きなお話の粗筋を書いて、脚本を起こして、マンガや絵コンテ寸前まで描いて、それを見ながら文章にしてるのでは?と思ってしまったくらいで。
だから連作も多作も出来ないのではないか?と

解説で大森望が宮部の『ブレイブ・ストーリー』を取り上げているけれども『十二国記』はあえて取り上げなかったか?
小野不由美は過去「年表の下書きがある、年表を元に挿話を書き、十二国全ての話は出てこない」といった事を書いてる。
小野は(私個人が見聞きした限りでは)恐らく天帝を物理シミュレータ、常世をシミュレーション世界として書き始めたが、80年代当時ならともかく今ではオチにすらならずに、結末を書きあぐねている。

恒川はそこの反省は踏まえたか、フルムメアを議論の価値がない存在に貶めてしまっている。
ただその仮想世界で死後の人、下手したら思念だけかも知れないのに、やはりこの人の筆致で強烈な実在感を覚えます。