秘密結社とか陰謀とか、神話とか古代史へのこだわりも含めて、清張は本来は奇想の人だったと思える。
清張が奇想を封印せず、遠慮なく展開したのが、探偵小説ではなく、むしろノンフィクションにおいてだったのは、戦後の読書界におけるある種の不幸かもしれない。

短編「死者の網膜犯人像」で決め手となる手がかりを得る展開とか『砂の器』でのトリック解明とかは、警察よりもむしろSRIの領分ではあるのだが…