2018年09月22日 07:30
榊 裕葵 社会保険労務士・CFP
カテゴリー  転職 働き方

乃木坂46の人気メンバーの1人、西野七瀬さんが9月20日に更新したブログで、年内をもってグループを卒業することを発表しました。

私自身、乃木坂46のファンの1人として西野さんの卒業は残念なことです。
しかし社会保険労務士という立場から考察すると西野さんの卒業発表は、段取りやタイミングといった面で周囲に配慮を重ねた大変素晴らしいものだと感じます。
一般のビジネスパーソンにとっても参考になると思い、本稿の筆をとらせて頂きました。

私が西野さんの卒業発表の仕方が素晴らしいと感じたポイントは3つあります。以下、順番に説明をさせて頂きます。

■正式な卒業発表まで時間をかけて事務所と話し合いを重ねた
第1は、時間をかけて運営と卒業について話し合ってきたということです。西野さんはブログで、次のように述べています。

卒業のことは実は一年以上前から事務所の方とお話をしてきまして、ついに今日皆さんに報告させて頂きました
乃木坂46 西野七瀬公式ブログ 2018/09/20

「ついに」という言葉を含めブログの文言からも、西野さんはしっかりと時間をかけて事務所と話し合いを重ね、正式な卒業発表に至ったのだと感じさせられました。
運営の立場の人や、グループの仲間のことを考え、調整を尽くした上で卒業発表に至ったことは、大変素晴らしい配慮だと思います。

これを一般のビジネスパーソンに置き換えて考えてみます。退職をする権利は就業規則や法律上の権利として認められているわけですが、早目に退職の相談をして会社と調整を行うということは、社会人として望ましい配慮です。

確かに、次の仕事が決まっているとか、急な家庭の事情があるとか、ビジネスパーソンにも様々な事情があります。場合によっては急な退職の申し出となることもやむを得ないでしょう。

しかし可能ならば、退職を具体的に意識した時点で非公式にでも上司や人事担当者などに話しておくことが、最終的には円満な退職につながります。
会社によっては引き止めの話があるかもしれませんが、退職の意思が固いことが分かれば、会社側としても新規採用を検討したり、人事異動を行ったりして後任者の目星をつけることができます。

重要なポジションに就いていた人ほどすぐに後任を見つけることは難しくなります。場合によっては西野さんと同じように、1年くらい時間をかけて会社と話し合って退職の準備を進めていくことが「立つ鳥跡を濁さず」につながります。

会社への配慮だけでなく、円満な形で退職すれば自分自身のためにもなります。
退職後も引き続き元の会社と取引をするなど違った形で関係を持てるかもしれません。近年は「出戻り」を歓迎する会社も増えてきていますので、場合によっては将来元の会社に復帰ということも考えられます。

芸能界に話を戻すと、乃木坂46公式ライバルとされているAKB48や、系列は違いますがモーニング娘。などにおいても、
円満に卒業をしたメンバーは、OGとしてメディアに出演したり、卒業後もしばしば現役メンバーとコンサートで共演したりなど、元のグループと関係を持ちながら活躍の場を広げています。
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