「モテ服」路線を掲げたが迷走気味に…

 実は、セシルは2年前の2017年にもブランドコンセプトを変えた。当時は「モテ服ナンバーワン」を掲げ、ブランドのキーカラーをブラックとホワイトからホワイトとピンクに変身。乃木坂46の白石麻衣さんを起用して、「トレンドを反映した大人のモテ服」で訴求した。

 セシルファンから見れば「どこに行っちゃうの」感があったのだろう。

 「2017年当時は29歳から34歳の購買層が10%近く伸びました。上の世代からも支持があるのはありがたいのですが、ブランドコンセプトがぼやけてしまったため、本部と店舗、そして消費者の声も聞きながらターゲットを再設定したのです」(手塚氏)

 ブレーク当時の社長で、現在は会長も兼務する木村達央氏は、率直に語る。

 「この5年は右肩下がりで売り上げも落ちていき、社長としていろんな施策を打ちましたが、時代の変化は予想以上に大きかった。ようやく下げ止まり、反転の兆しも出てきています」

 売り上げの約7割を同ブランドが占める会社の売上高は、2014年1月期の214億100万円から、2018年2月期は147億8200万円まで下落した。今後はどこまで巻き返せるのか。