春はおぱんつ。
やうやう白くなりゆく履き際、少し汚れて、黄ばみたる新内の風たなびきたる。

夏はおぱんつ。
月のころはさらなり、闇もなほ、おぱんつの多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。尿など降るもをかし。

秋はおぱんつ。
夕日の差して富士山の端いと近うなりたるに、おぱんつ民の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。
まいておぱんつメンなどの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、金川の声など、はた言ふべきにあらず。

冬はおぱんつ。
雪の降りたるは言ふべきにもあらず、おぱんつのいと白きも、またさらでもいと寒きに、冬おぱんつなど急ぎおこして、毛糸持て渡るも、いとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、悠理のおぱんつも、汗ばみがちになりてわろし。