0422君の名は(茸) (スッップ Sd43-QtHP)
2022/07/10(日) 19:43:05.72ID:e3X4XF8fd藤本 仁
2022.07.09 11:00
シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Aさん
現在50代のAさんは18歳の冬、大学受験のために東京に向かった。
試験を終え、帰りは遅い時間に。お腹を空かせて当時は新幹線ではなく在来線特急だった「やまびこ」に乗っていると、通路を挟んで隣に座っていたおじさんが......
<Aさんの体験談>
今からもう35年ぐらい前になります。
18歳の冬、私は受験のために東京に行きました。その帰り、乗ったのは東北本線の特急「やまびこ」自由席。帰りが遅くなり、私はお腹をすかせていました。
宇都宮を過ぎたころ、お弁当を乗せたワゴンが通路をやってきました。当時のやまびこには車内販売があったんです。
でも私はお弁当を買えず、ワゴンが通り過ぎていくのを見ていました。
そんな時、通路をはさんで反対側に1人で座っていた50代くらいのおじさんが、販売員のお姉さんを呼び止め、お弁当を2つ購入。
服装など見るからに裕福そうで、私は「1人で2つも食べるんだ。贅沢だな」と思っていたのですが......。
突然おじさんが私のほうに...
おじさんが、弁当の一つを私の方へ渡してきたんです。
私がよっぽどワゴンを恨めしそうに見ていたのでしょう。
何の言葉もなく、ただ顎で「やるよ!」とうなずいただけで、始終黙ったまま。
私も黙って受け取り、黙々と食べているうちに自分の降車駅「郡山」に着きました。
電車を降りるとき、お礼を言おうとおじさんの方を見ると、おじさんはとっくに食べ終えて眠っていました。
だから私は結局、お礼を言えないまま電車を降りました。
★😈