京都選挙区(改選2)は立民現職の福山哲郎前幹事長(60)、維新新人・楠井祐子氏(54)、自民新人・吉井章氏(55)が三つどもえの戦いを繰り広げている。
福山氏は旧民主党時代の盟友で国民民主党の前原誠司氏(60)とたもとを分かち、国民民主からの支援を受けられず。
前原氏は楠井氏の全面支援へと回り、福山氏は窮地に追い込まれている。(坂口 愛澄)

 5選を目指す福山氏は、これまでにない厳しい選挙戦を強いられている。1日、京都・木津川市内で福山氏は、
物価高対策などを訴え「国会で仕事ができなくなるの本当に嫌なんです。どうか、助けていただけませんか」と懇願するように訴えた。

 旧民主党時代から福山氏と同じ京都を地盤とする前原氏は盟友関係にあった。
ともに松下政経塾出身だった縁もあり、福山氏は前原グループとも呼ばれる「凌雲会」で事務局長を務めた。
だが、2017年衆院選を前に、前原氏は小池百合子氏率いる「希望の党」(当時)に、福山氏は立民に合流し、両者は決別。
今回は前原氏が維新候補の全面支援に乗り出し、かつての盟友が対決することになった。

 昨年の衆院選の惨敗を受け、幹事長を辞任した福山氏だが「こっからが勝負どころだから」と息巻く。
連日、楠井氏の応援に入る大阪府知事で維新副代表の吉村洋文氏について「選挙応援やテレビに出てる暇があれば、府民のために仕事しろって話」と批判した。
立民・泉健太代表の地元でもあり負けられない戦いだ。

 維新は同選挙区を「最重点選挙区」と位置づける。
地元・京都から、選挙初挑戦となる会社員の楠井氏は「今の政治のままではダメ。自民は結果が出ていない。スピードアップしなければ」と訴えた。
維新と国民が国政選挙で相互推薦するのは初めてのこと。前原氏も連日応援に入ったほか、吉村氏が半日つきっきりで議席獲得へ熱が入る。

 維新が大躍進した昨年の衆院選では、公示前の3倍以上となる41議席を獲得し、第3党に。京都1区でも比例復活で1議席を得た。
大阪を母体とする維新は、兵庫を掌握し、次は京都に照準を定める。
陣営関係者は「楠井の知名度が低いのがネック。一人でも多く名前を覚えてもらわなければ」と課題も口にする。

 01年以降議席を守り続ける自民は二之湯智氏の引退に伴い、京都市議を4期14年務めた吉井氏が立候補。
吉井氏は、長岡京市内で教育や福祉の充実を掲げ「今は国力が問われている。必ず日本は成長していく。不安な部分を払拭していきたい」と意気込んだ。

 吉井氏と楠井氏が初当選となるのか、実績もあり知名度の高い福山氏か。最後の最後まで読めない展開になりそうだ。
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