東京・豊洲市場(江東区)に15日朝、秋の味覚・サンマが初入荷した。例年より遅れた昨年よりは約1カ月早かったが、極端な不漁のため入荷はわずか10匹のみ。貴重品のため卸値は、同市場では過去最高値の1キロ当たり12万円、1匹だと1万3200円が付いた。

入荷したサンマは、北海道東部の近海で操業を始めた小型船が14日、今シーズン初めて水揚げした24匹(2.5キロ)の一部。釧路市の魚市場で初競りにかけられた後、航空便で出荷されたもので、1匹110グラム前後。
初水揚げの量としても過去に例がないくらい少なかったため、産地価格が高騰。豊洲でも、過去最高値だった2020年(1キロ当たり10万円、1匹1万2500円)を上回った。
高級クロマグロでもほとんど出ない超高値で、初物を入手した仲卸は「値段は高過ぎるが、市場を活気づけたかった。身は細いが、鮮度がとても良い」(山崎康弘・山治社長)と話した。このサンマは、食品スーパー、東武ストアの都内と埼玉県の一部店舗で販売されるという。
サンマ漁は例年7月から始まるが、近年は不漁が深刻化。今後、大型船も出漁する見通しで、豊洲の卸会社からは「秋本番には漁獲が回復してほしい」と期待の声が上がっている。