イタリア総選挙で勝利する見込みとなった右派連合には、親ロシア色の強い政党が参加している。政権交代は、欧州連合(EU)の対露制裁に大きな不安を残すことになった。

右派連合のうち、「同盟」を率いるサルビーニ前内相は選挙戦のさなか、対露制裁について「制裁を科す側が、制裁を受ける側よりも大きな打撃を受けるべきではない」と発言した。米欧同盟の一員としてウクライナを支持するが、物価高騰が続けば制裁は見直しが必要になる、という立場を示した。サルビーニ氏はプーチン露大統領のファンとして知られ、モスクワ訪問時にプーチン氏のTシャツを着て歩くほどだった。

「フォルツァ・イタリア」のベルルスコーニ元首相は、プーチン氏と個人的に親密な関係で知られる。総選挙を前にテレビのインタビューで、プーチン氏がウクライナ侵攻を決断したのは「周囲に押されて、やむなくやった。(ゼレンスキー政権を)まっとうな人たちに替えるためだった」と述べ、擁護した。だが、国内外で批判を受け、「侵略は正当化できない」と声明で釈明を迫られた。
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