2022年9月27日 6時5分スポーツ報知 # 芸能

 人気落語家・立川談春(56)が12月に東京・有楽町朝日ホールで「いままでの芝浜、これからの芝浜」(6、7、13、14日)と題した独演会を行う。

 冬の落語の代名詞とも言われ、夫婦情愛を描いた人情噺(ばなし)「芝浜」は、談春の得意ネタのひとつ。今回はこれまで演じた「いままでの芝浜」を前半に、後半は新機軸となる「これからの芝浜」に挑むことになった。

 きっかけになったのは7月8日の安倍晋三元首相の銃撃死亡事件。価値観のゆらぎと時代の変化を感じた。「コロナ禍なのか原因は分からないけれど、人情噺はこのままでいいのかと思った」

 さらに驚がくのデータもあった。未婚男女の3分の1は異性との交際を望まない、また20年以上連れ添った夫婦の熟年離婚が過去最高を記録―。「最終的には夫婦は添い遂げないといけないと思っているオレは取り残されているのか。オレの芝浜はこのままでいいのかと思った」と言う。

 師匠・立川談志さんの「芝浜」に衝撃を受けて入門を決意した因縁の演目。「談志から離れるために自分の中にあるものを出した」と自らの「芝浜」をこしらえた。革財布を拾ったことを夢としていた女房が亭主に真実を告げる場面。談春の芝浜は、亭主がひときわ厳しく女房を言葉で追い込んでいく。「今だったらパワハラだ、セクハラだと言われかねない。今を生きる若者にリサーチでもするかな」
★3