1月1日。
初詣が終わって、駐車場へと延びる長い階段を下っていると
下の方から「おーい」と呼ぶ声がしたので
そちらを見てみると数人の男女が居た。
見た瞬間、「あ、気づいた」と言って手を振ってきたが
まさか自分に言っているとは思わず、すぐに反応できなかった。
当方、視力が悪いくせにメガネを着用しておらず、
手を振っている人達が誰だか分からなかったが、混雑しているので
俺に手を振っているのではなく、後ろの人に手を振っているのだなと思って
ぼうっとした視界に揺れる掌をただ何となく見ていた。
しばらくするとその男女はどこかへ行ってしまったが
階段を降り切って後ろを振り返ってみると
俺の家族しかおらず、彼らの年齢から推察するに
俺か妹に手を振っていたんだと気付く。
「タイミング的に俺だよな」ということは分かったが
手を振り返すにはあまりにも遅すぎた。
という訳でここに上記のような言い訳を書き込ませて頂く。

たぶん、昔の友達だろう。
視界はぼやけていたが声の感じからそんな温かさを感じた。
俺のことをまだ覚えていてくれるんだなと思って、ほっこりした。

またいつか会いましょう。

ではでは。