0497名前はいらない
2021/02/22(月) 22:44:42.79ID:3+TmWn6u静かにあやしてさよなら奇かし
胸に宿ったあたたかな氷つぶに
這入った韵がくるしくてしんと
鳴る騒しさに痛くて塞いで精製
したのは透明な硝子のせいどう
うごいてはにげて
とまってはかけて
もうじきにこの終わらない追いかけっこを
終えると同時に季節に降る花を雪を韵を
ぼくは諦めるように眺める いつ眺めても美しい
別離れを
幸い災厄には随分慣れていて
それでも最悪の運勢をすこしはひとらしく呪って
やり過ごす 出来てしまうのにさ
鳴るだろ
そしてわかってしまうんだ、 この青銅は
透明は金に成る ひかる
それが
とてもかなしい
せめて
この頭に乗せてくれよ
たったひとつ 闇夜に浮かぶ夢のような王冠
くるくる廻る
メリーゴーラウンド
どうしてこんなに
つるりとした透明な
錆びていく淡い
深夜の空虚な
月明かりの桃源郷ゆうえんち