つるりとした透明な硝子の青銅
静かにあやしてさよなら奇かし
胸に宿ったあたたかな氷つぶに
這入った韵がくるしくてしんと
鳴る騒しさに痛くて塞いで精製
したのは透明な硝子のせいどう
うごいてはにげて
とまってはかけて
もうじきにこの終わらない追いかけっこを
終えると同時に季節に降る花を雪を韵を
ぼくは諦めるように眺める いつ眺めても美しい
別離れを

幸い災厄には随分慣れていて
それでも最悪の運勢をすこしはひとらしく呪って
やり過ごす 出来てしまうのにさ
鳴るだろ
そしてわかってしまうんだ、 この青銅は
透明は金に成る ひかる
それが
とてもかなしい


せめて
この頭に乗せてくれよ
たったひとつ 闇夜に浮かぶ夢のような王冠
くるくる廻る
メリーゴーラウンド

どうしてこんなに
つるりとした透明な
錆びていく淡い
深夜の空虚な
月明かりの桃源郷ゆうえんち