愛している なんて言葉
たとえ何千回繰り返されても
凍り付いた私の心にはもう届かないと
内心思っていた
傷ついたあの日から

水音
波打ち際
いつも一人で歩いていた海辺の風景
少しだけ心が動くの?
その可能性があるの?
私はどんな気持ちなんだろう

人の命が嘘みたいに日々次々と散っていく今
あなたを思う一方で
無事でいてほしいと願う命がある
あの人のおかげで私は途切れずに生きられたから
私とあなたの話は映画になるねって
そんなふうに話を聞いてくれた
その人もその人のお母さんと妹さんも
さんざん未練話を聞かされた前の彼女も
多少盛っているだろうけどその他何十人だかも
どうか皆無事だといい
特に医師のお母さんがもう高齢のはずだから

今はもうその人には届かない
でも今でもあなたには声が届くことが
不思議なようでいて
どんなにかありがたいことかと思う

どうにか乗り越えて生きていかなければ
そうでしょ
過去に経験のない難局でも
きっと道を作っていくの
見えない分からないことだらけ
それでも