■「あなたはレベルが低いですね」――部下の気持ちは考えられない

部下の「気持ち」をくみ取ることが苦手なのも特徴です。相手の気持ちを考えた場合は、口にすることを躊躇するような発言をして、部下を傷つけることもあります。

「あなたの提出する企画書は、いつもレベルが低いですね」「あなたが後輩のC君より成果を上げられないのはなぜですか」

こうした発言について、機械型の上司にその真意を確かめると、相手を痛めつけようとか、怒らせようといった「悪意」は特になかったりします。単にそう思ったから口にした、疑問に思ったから聞いてみただけ、というケースも多いのです。

むしろ、自分の発言によって相手が怒ったりすると、「なぜ、そんなことで怒るのだろう」と理解できないことが間々あります。

このように、相手の気持ちに思いをはせることが苦手なため、上司になる以前にも、他人とのコミュニケーションでいろいろなトラブルを起こしたことがあります。そのため機械型の上司は、部下との積極的な会話を避けようとする傾向があります。

コミュニケーションをとる場合も、「コンサルテーション」に徹してしまう人も多く見ます。

具体的には、部下が仕事の悩みを相談した場合、それが上司の関心事であれば、とにかく「お客さんとの関係はどうなっているのか、他部署との合意形成はしたのか」などと、一方的に「情報収集」をして、自らの論理で「最適解」を見出し、それを押しつけます。

部下が上司に仕事上の悩みを相談する場合、まずは自分が置かれた苦しい状況を理解してほしい、というケースがほとんどです。

しかし、その部下の気持ちがくみ取れずに、上司なりの「的確な指示」を与えてしまうのです。