私、佐藤健二さんの論には(もちろん時折反発する部分もあるのですが、むしろそういう部分こそ)考えれば考えるほどに非常に共感を覚えます。
というのも私が書いている小説のようなものはまさしく日々の行いの「総括」そのもの、八割方日常の描写をした手習いの日記や夢の記録から構成されているからです。
それに個人的な話は別としても、文章書く人って、日本の歴史見ても源氏物語もそうですけど、日記を手習いにしている人が非常に多い気がしますね(ちなみに更級日記の作者も「夜半の寝覚め」って物語を書いているんですよね)。
それはやはり日記というのは感情の言行録でもあるからでしょうね。
日記こそが文学の原点だという話があるのは、自分自身の日常の視点を通じないと自分の生のままの感情・血の通った心理描写は行えず、自分の心理描写を行えなければ根本的に自分以外の心理描写も行えないから、でしょうかね。