パワハラは連鎖する! 自称「体育会系」はご用心

増えるパワハラによる精神疾患

厚生労働省は2017年6月30日、平成28年(2016年)度「過労死等の労災補償状況」を公表しました。報告によると仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり、2016年度に労災認定されたのは498件で、1983年度の調査開始以降、最多だったそうです。また精神疾患の労災申請件数も最多の1586件となりました。

その内訳を出来事別に見ると「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」という、いわゆるパワハラによるものが74件とトップ。次いで「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が63件となっています。

ちなみに2015年度の同データは、1位が「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」75件、「(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた」60件です。1位と2位が入れ替わっていることから見ても、職場でのパワハラによる精神疾患が増えていることは明らかです。

筆者も様々な企業でメンタルヘルス面談を行っていますが、確かにパワハラ系の相談や不調者が増えているなと実感します。

「聞くに堪えないひどい言葉や辛辣な態度で罵られる」

「あからさまに自分だけ無視される」

など、自分自身に直接パワハラを受けてメンタル不調になる人もいれば、

「常に上司が怒鳴り散らしていて、毎日怒声を聞くたびに動悸(どうき)がするようになった」

「ターゲットになっていじめられている同僚に対して、怖くて何もできない自分がつらい」

といった間接的なパワハラで病んでいく人もいます。