もちろん部活だけではありません。子どもの頃に親から人格を否定されるような言葉で口汚く罵るようにしつけられた人は、大人になってから他人や自分自身の子どもに対して、同じようなパワハラを行ってしまうことが多いのです。
虐待された子どもが親になって自分の子どもに虐待するケースがあるように、パワハラ言動も世代間で連鎖してしまうのです。

ちなみに体育会系部活のすべてでパワハラ言動が行われているというわけでは決してありません。
適切な言葉と態度で素晴らしい指導をされているコーチや監督も数多くいます。
しかし教育現場ではスポーツ指導における暴力行為が以前から問題になっているのも事実です。
文部科学省ではすでに「スポーツを行う者を暴力等から守るための第三者相談・調査制度の構築に関する実践調査研究協力者会議」が行われ、「スポーツ指導における暴力等に関する処分基準ガイドライン(試案)」が提案されています[注2]。
お子さんが運動部に所属している方は、パワハラの連鎖が起こる環境で部活をしていないかどうか、一度チェックされてみることをお勧めします。