人類は19世紀までずっと農耕社会だった。
農耕社会では、マルサスの罠が働く。
農地は簡単に増えないのに対して、
人口はネズミ算式に増えていく。

絶えず人口過剰の状態だった。
だから必然的に、人口調整装置が必要だった。
それは天災などの飢饉による淘汰、
あるいは戦争でと死。

たとえば長子が土地を引き継ぐとすれば、
次男以降は大人になると家を出なければならない。
彼らは受け入れ先は戦争だ。
戦争で結果を出せば、他国の土地が入る。
でも多くは戦死する。

こんな時代に個人の人権なんてない。
一握りの権力者たちの尊い命に対して、
余って処理を待つ大量の命。

現代でも途上国では同じようなことが起こっている。
どれもかけがえのない命というリベラルは、
偽善でしかない。