総利権体制というセーフティネットはおそらく日本人にしか無理だろう。
疑似単一民族で、江戸時代という200年の平安による世間の成熟という特殊な状況が可能にしている。

総利権体制は世間という倫理により守られている。
最近の不倫バッシングなど世間体は何かとうざいと思っている人は多いだろうが、
法を超えて日本人内に働く道徳圧。
これは政治へも大きな圧力になっている。
桝添辞任や安倍スキャンダルなど、
法を超えて、絶えず政治の監視装置として働いている。

自民党一党が続いても独裁に至らないのは、世間圧があるからだ。
世論は法を重視するのに対して、世間は道徳を重視する。
政策を超えて、その人が道徳的で信頼できるかを監視する。
日本では世間圧を無視して政治はできない。

日本の政治の特徴は、選挙で勝って多数派をとったから国民の信任を得たと簡単にいえない。
野党との調整をおろそかにしてはいけない。
選挙で勝っても独断的な強行姿勢にはすぐに世間圧が働く。
政策の中身を超えて、野党も含めて、それなりの調整があって、世間は納得する。
日本の政治が合議を中心にしている理由はここにあり、
日本で与党の法案の成立率が低い理由の一つだ。