自然の放射線と人工の放射線 人体への影響

肥田:
たとえば成田からニューヨークまで2回飛行機で往復すると、かなり自然の放射線を浴びる。それでも無害であると、「だから今の程度の放射線はいくら吸い込んでも心配ないんだ」と盛んにしゃべります。
これはね、全くの間違いなんです。というのは、人間というのは、学問によれば、4億年前に海の中に生活していた動物が波打ち際で何万年も跳ねたり踊ったりしているうちに、空気をエラで取り入れて、つまり空気で酸素をとるという事が可能になった、生理的に。

その連中がだんだん地上に上がって、地上の動物になっていく。ところがそうやって地上に上がると、地上にあった自然放射線とそれにもうひとつ紫外線という非常に強い線に当たって、ほとんどがみんな殺された。
殺されても殺されても上がった連中が頑張って、だんだんだんだん免疫をつくっていったんです。それは何千万年であり、あるいは1億年であり、何億年であったかもしれない。で、かつては海中にいた生物が地上で生活をするようになった。それが人類の祖先なんだ。

つまりそうやって、自然の放射線と紫外線という強敵に長い間順応しながら免疫をつくって、人類が地上の生物になったんです。そういう歴史があって、自然の放射線に対しては人間は何億年という歴史をもってね、対抗して免疫をつくってきたんです。

それが今危険だという放射線は、自然の放射線ではない。工場で作られて、同じであると彼らはは化学方程式では同じであるから同じものだと言うけれども、ウラニウムにしてもプルトニウムにしても、人間の身体にとっては自然にあるものとは違うんだ。

そういう人口の放射線は今まで作った免疫では役に立たなくて、それで皆が被害を受ける。そういう生理の事を全く考えなくて「同じだから大丈夫だ」なんて言うのは、根拠のないデタラメだっていう反論がずっと出ていて、この頃はもう言わなくなっちゃった。