中曽根内閣の官房長官を務めた「カミソリ後藤田(正晴)」は『日本への遺言』(毎日新聞社)の中で、アメリカの本質をズバリ言い当てている。

「戦後60年を振り返ってごらんなさい。アメリカぐらい、戦争をしている、あるいは、海外派兵している国はありません。
朝鮮戦争からベトナム戦争、それからアフリカでの戦争、中東での戦争。
毎年、平和だって言って、どこかで戦っている。
これにね、いつまでも、あんた、お付き合いできますか」と話している(TBS「時事放談」2004年12月5日より採録)。

無理に敵対する必要はないが、アメリカとの「距離感」は、もっと冷静に考えなければならないだろう。
イラク戦争の残党が、IS(イスラム国)を作ったという事実もある。
だというのに、戦後70年の今、安倍政権はそのアメリカと、より親密な、より危険な「お付き合い」をしようとしている。

安倍某は「国家安全保障戦略」の中で、
「我が国の平和と安全は我が国一国では確保できず、国際社会もまた、我が国がその国力にふさわしい形で、国際社会の平和と安定のため一層積極的な役割を果たすことを期待している」と宣った。

安倍某は「積極的平和主義」というレトリックを使って、一国平和主義とオサラバし、改憲を実現して、戦争をビジネスにしているアメリカに「地獄の底までお供する」と言っている。

中国の脅威は否定しないが「アメリカの言いなり」さらには「安倍の妄言」はもっと恐ろしいのではないか。
今の日本国民は、この「後藤田正晴の遺言」を真摯に受け止めるべきではなかろうか。