『あんな詭弁、こんな詭弁』

■おまえだって論法・あいつだって論法
 自分や自分が支持するものに向けられた批判対して、相手や他の人間も同種のことをやっていると主張して正当化しようとする詭弁。
 ただし、「自身の正当化」ではなく「相手のダブルスタンダードに対する指摘」という目的であれば詭弁ではない。

使用例
 A「大日本帝国は、少年少女を最前線に放り込んだり、“特攻”という作戦で自国兵士の命を完全に消耗品として扱ったりした」
 B「ソ連共産党のスターリンは、自国の兵士に対してもっと酷いことをしていたんだが」

■テルテル坊主理論
 「テルテル坊主を吊したら“雨”の予報が覆って晴れた」を以て「テルテル坊主には雨雲を遠ざける働きがある」と結論づけるのと同様、
 因果関係の認められないモノ、因果関係の立証されていないモノを勝手に結びつけ、因果関係があるという結論をこしらえようとする詭弁。

使用例
 A「戦後、政治的にまったく口を出すことのできない天皇がいったい日本にとって何の役に立ってきたのか?」
 B「天皇がいたから日本は国民が一つに纏まって大きな経済成長を遂げ、治安も安定し、今の繁栄があるのです」

■論点逸らし
 本来の話題とは無関係な、自分が正論を述べやすい方向に脱線して自分の主張を延べ、「正論」を展開してみせることにより、
 あたかも本来の話題について正論を述べたかのように取り繕い、印象づけようとする詭弁。

使用例
 A「日本国憲法の前文には、天皇制の護持は日本国民が達成するべき理念として掲げられていません」
 B「前文には法的拘束力は無い。拘束力を持つのは各条文だ」