https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57402
筋ジストロフィーの犬が「ゲノム編集治療」で劇的に回復、人間も…

筋ジストロフィーを発症した犬をゲノム編集で治療する実験に、米英の共同チームが成功した。
これまでマウスで同様の研究成果が報告されていたが、今回、より身体の大きい犬でも成功したことから、
人間の患者を治療する臨床研究に一歩近づいたと見られている。
http://science.sciencemag.org/content/early/2018/08/29/science.aau1549.full

遺伝子異常を体内で直接修正
従来、この病気を治療するためには、正常なジストロフィン遺伝子を「ベクター」と呼ばれる
特殊なウイルスに組み込んで、これを患者の細胞内へと送り込む遺伝子治療が研究されてきた。
ところがジストロフィン遺伝子は、サイズが約220万塩基(塩基とはDNAを構成するG、A、C、Tのいずれか)
と巨大であるため、微小なベクターの内部に収まりきらない。このため従来の遺伝子治療は、
(少なくとも現時点では)デュシェンヌ型筋ジストロフィーに適用することが難しい。
そこで(冒頭の)テキサス大学など共同研究チームは、
ゲノム編集(クリスパー)を使った新たな治療法の開発に乗り出した。
彼らは(従来のように)正常なジストロフィン遺伝子を患者の体内に送り込む代わりに、
体内の異常なジストロフィン遺伝子をゲノム編集で直接修正する方法を選択した。