驚くべきこと、そして恐るべきことは、所管大臣の麻生太郎氏が、この報告書の受け取りを拒否し、そのことによってこの「自白」を葬り去ろうとしていることである。

この強権的感覚には愕然とする。いや、愕然としないところが怖い。むしろ「やっぱりねぇ」と思ってしまう。こういうことを平気でやってしまうところに、今の政府与党の正体がある。

 さすがに、抹殺はまずいだろう。そう思えないところに、この人たちの黒々しい本質がある。やっていいことといけないとの仕切り線が全く見えていない。
自分たちの意に染まないことは、無かったことにする。それが当たり前。それが権力の権力たるゆえんなり。どうも、こんな風に考えているらしい。

 審議会制度についても、とんでもない認識しか持ち合わせていない。それが今回の顛末で露呈した。お上のご意向にお飾り的折り紙をつける。そのためにあるのが審議会。アリバイづくりを着実にこなしてもらえばいい。要はそう考えているわけだ。
今回のことでは、飼い犬に手をかまれた感じでいるのだろう。もっとも、「30年で2千万円」は厚労省でも既に既定の認識だという報道もある。次は厚労省の存在も否定しようというのか。政府与党の魂の闇は深い。