中国の日本に対する脅威が募っている。日本は米国なしに、中国の軍事的脅威にまったく対処できない。
日本を守るために、米国様に、ひたすらおすがりしなければならない。

ところが、トランプ政権が2年前に登場すると、米国は「トランプ支持派」と「リベラル派の民主党支持者」の真っ二つに分断された。
日本がすがってきた米国は、国内対立によって、頼れないようにみえた。

日本が危なかった! ところが、この危機を意外な助っ人が現れて、救ってくれた。中国の習主席だ。

トランプ政権が発足すると、習主席は「米国が混乱して、力が衰えた」と勘違いして、「いよいよ中国の時代がきた」と舞いあがった。
オバマの時代には「南シナ海の人工島を軍事化しない」と言っていたのに、ミサイルを配備して野心的な「一帯一路」計画を暴走させた。
スリランカやカンボジアなどの軍港を借款のカタに取り上げるなど、傍若無人に振る舞いはじめた。

中国は、米国市場に経済を依存している。先端技術も米国から盗んできた。寄生虫のような存在なのに、米国に対して牙をむいた。

これで、トランプ政権は、中国と正面から対決することを決断し、関税戦争を始めた。中国へのハイテクノロジーの供給を絶った。
中国の目に余る振る舞いに、米国では、民主党も中国を抑えつけようと、全国民が歩調を合わせている。

習主席が、分断されていた米国を団結させたのだ。そのために巨大な米国の力が損なわれることが、なかった。

 日本が救われた。習さん、ありがとう!

(2019/8/19 夕刊フジより)