「変身!」

『A jump to the sky turns to a riderkick』

変身が完了した直後に、機械でできた赤色の鳥がゼロワンの周りを旋回した。あのときは訊けなかったが、ソウゴが事前に仕込んでいたものだ。
(後にサーチホークと知る)上に乗った緑色の機械――スイカアームズから、マギアの本元が暴走している映像が流された。
近所に住んでいる或人はすぐに立地が解った。衛星ゼアからの受信で、彼のライダー名を知る。

「ソ……いや、『ジオウ』! 悪ぃ、そっち任せた!」
「わかった! 『ゼロワン』、気を付けてね!」

ほぼ事態の終息した戦場に、20人のライダーが並び立った。一カ所に集められ、ギチギチと地に伏してなお動く機械仕掛けに、ソウゴは仮面の中で目を閉じる。せめてもの弔いだ。

「……じゃあ一気にいこうか」
『オール20! タイムブレイク!』

20人のライダーに次々と一撃を食らい、全て爆発四散した。

――――――

「ソウゴ、ごめん! それで本当に助かった!」
「いいよ。大きな被害にならなくてよかった」

或人はなお深いお辞儀と、謝礼を述べる。とても嬉しいのだが、それよりも斜め後ろに控えているイズの視線が気になる……というか居た堪れない。弱った。そろそろA.I.M.Sも来るだろう。
或人はともかく、ソウゴはバレれば搾り上げられるかもしれない。まだ兄の総司に証拠隠滅の依頼をしていないのだが……(と思って、仮にもヒーローがこの発想は酷いなぁと遠い目をした)。

「オレ、決心がついたんだ。それにもお礼がしたい」