米中冷戦は単なる貿易戦争から、人権と安全保障が絡んだ、
世界史レベルの総合的な政治対立へと局面が変わってしまった。
果たして、中国はそこまで計算していたか?

2010年9月の沖縄県・尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件が影響したかもしれない。
日本の海上保安庁が中国人船長を逮捕すると、中国政府は日本人会社員4人を拘束して人質に取り、恫喝した。
すると、当時の民主党の菅直人政権は、一気に弱気になって中国人船長を釈放してしまった。
中国は日本政府相手の「戦果」に味をしめて、トコトン付け上がった。
ドナルド・トランプ米大統領は、孟晩舟の逮捕をめぐって、貿易問題と絡めて米司法省に介入する可能性を示唆した。
だが、事はそう簡単に運ばないだろう。
これは、ファーウェイによる国家機密情報の窃盗と、米国の安全保障が絡んだ、国政政治を左右する重大問題である。