つまり「巨大ロボットものを深夜にオンエアしてどうするんだ」ということです。
営業や販売の人は「深夜のオンエアでも、今の視聴環境なら観る人は観てくれる」と言います。
確かに深夜にこっそりオンエアしても、商売になっていなくもないらしい。
でも「それが興行か?」と言いたいのです。
アニメではなく映画的な考え方だけど、人を集めてみんなで「つまんねえな」とか「面白いよね」
って言い合って成立するのが興行でしょう。
だから深夜でオンエアするとわかったときに、「だったらオンエアが終わるまでの2クール分、0号のフィルムの感覚でテレビ版を作る。それを見直してから劇場版を本編として作る」という覚悟をしたんです。

──あくまで劇場版が本編なんですね。

そうです。だからさっき言ったように個人的な意気込みはなく、
こういう公開の仕方になっただけなんです。
でも、テレビでのオンエアに合わせて強引に作ったおかげで、
作っているときに「ちょっとまずいかな」なんて部分も「どうせ深夜だし、
あとで編集するんだから」となったのはつらかったですね。