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>  無観客の静まり返ったスタンド席、マスク姿の関係者、極度のプレッシャーなど、
> いつもと違うさまざまな要素が重なったこともあるだろう。だが、フリーの演技前の
> 羽生選手の様子は、もっと大きな異変を感じさせるものだった。現場を目の当たりに
> していたカメラマンが語る。
>
> 「“いざリンクへ”というときになって、羽生選手がなぜかリンクとは逆方向の
> ウオームアップエリアに向かって行ったんです。“あれっ?”と思いましたが、彼は
> 遠目にも具合が悪そうで、奥の方に行くと、マスクを外し、耐えるようにぎゅっと目を
> つぶっていた。かなり汗をかいているようだったし、唇も真っ青。“このままでは
> リンクに立てない”と思ったのかもしれません」
>
>  何人かのスタッフが羽生選手の様子を心配そうに覗いたが、あまりの緊迫感に誰も
> 声をかけることができなかったという。そして数分後、スケートリンクに降り立った姿は、
> 明らかにいつもとは違っていた。
>
> 「いつもなら前髪を立たせるなど、きちんとヘアセットをして本番に臨みます。ところが、
> あのときは髪をおろしたまま。あえてナチュラルにという感じではなく、言葉は悪いですが、
> ボサボサだった。表情もうつろで、演技前からかなり呼吸も乱れていました」
> (前出・カメラマン)
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