香港独立派に活動禁止命令 政府、返還後初めて

【香港=木原雄士】香港政府は24日、香港の独立を主張する政治団体「香港民族党」に活動禁止を命じた。
国家の安全を脅かす恐れがある場合、団体の活動を禁止できると定めた社団条例に基づく措置。
今後、同党の集会やデモは政治的な活動とみなされ、刑事罰の対象となる可能性がある。政治団体の活動を禁じるのは1997年の中国返還後初めて。

民族党は、行政長官選挙の民主化を求めた「雨傘運動」に参加した陳浩天氏が2016年に設立した。明確に独立を掲げる急進的な政党として知られ、一部の若者らが支持している。
香港政府は7月に活動禁止命令を出すと警告。陳氏が8月に香港外国記者会で講演した際には、中国外務省や香港政府が中止を求める事態に発展していた。

香港の民主派は一斉に反発しているが、決定を覆すのは難しい情勢だ。そもそも民族党を含む民主派政党の一部は立法会(議会)選挙への出馬が認められていない。
政府が独立派にかつてない厳しい姿勢を示したことで、他の政治団体にも活動禁止の対象が広がるとの観測も浮上している。