★《感情振動B ココロの行方》「みんなと」共感 気持ちよくて
プレイステーション4に向けて昨年1月に発売された「モンスターハンター:ワールド」は、巨大な獣を仲間4人で協力して狩猟するアクションゲームだ。世界中で1千万本以上を売り上げ、発売元のカプコンにとって、過去最もヒットしたゲームソフトになった。
または、ニンテンドースイッチの「スプラトゥーン2」(任天堂)。「eスポーツ」でも人気を博す本作は、インクを発射する多彩な「ブキ」を使って、4対4でステージの色を塗り分ける。共通点は、ネットを介して仲間と一緒に戦うことだ。ゲームの世界で、
「共闘」がトレンドになっている。カプコンで「モンスターハンター」シリーズの開発に携わる辻本良三プロデューサーは、システムを設計する上で「一緒にたたかっているプレーヤー同士にお互いを意識させる」ことに気を配ったという。仲間4人で計3回
やられたらゲームオーバーになるという設定も、チームの一体感やクリア時の達成感を増幅させる。「(回復アイテムを使った)助け合いや役割分担が起こりやすいように。できるだけ殺伐としない、ギスギスしないようにというのは元々のコンセプトと
してありました」
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ビジネスや政治など、あらゆる場面で共感が重視される「共感の時代」。文化鑑賞の風景も変わった。映画は2010年代に入り、声出しや拍手ができる「応援」「絶叫」上映会が花盛り。昨年11月公開の映画「ボヘミアン・ラプソディ」では、英ロックバンド・
クイーンの楽曲が流れるたびに、カラオケのように画面下に歌詞を映し出して観客の合唱を促した。音楽も一人で楽曲に向き合うものから、ライブやフェスを楽しむものへ。ポピュラー音楽に詳しい大阪市立大学院の増田聡教授は、ユーチューブなどで
無料の音楽があふれ、希少性が失われたことが背景にあると言う。「音楽は無数に有り余っているから、理解できないものは聴かなくていい。ネット世代は、最初から共感ベースで文化消費をする環境にある」NHKの音楽番組「18祭」は、こうした流れ