★おおさか東線・2019年3月16日全線開業
3月16日、JR西日本おおさか東線新大阪〜放出間11.1km(以下、北区間)が開業し、2008(平成20)年に開業した放出〜久宝寺間(以下、南区間)と合わせて、新大阪〜久宝寺間20.3kmが全通する。1997(平成9)年に開業したJR東西線以来、
大阪市周辺では京阪電気鉄道中之島線、阪神なんば線などの整備が進められてきたが、おおさか東線の全通は大きな節目のひとつだ。その全貌を紹介しよう。

◆構想から67年ぶりの旅客化全通
おおさか東線は、東海道・山陽新幹線が発着する新大阪駅から、片町線(学研都市線)が接続する放出駅を経て、関西本線(大和路線)久宝寺駅までを結ぶ20.3kmの路線だ。元々は、昭和初期に建設された片町線の貨物支線で「城東貨物線」と呼ばれていた。
沿線は1930年代から宅地化が進んだ地域で、今では京阪電気鉄道や近畿日本鉄道のほか、大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)地下鉄谷町線、長堀鶴見緑地線など多数の鉄道路線により大阪市中心部と結ばれている。城東貨物線も、1952(昭和27)年に城東
貨物線客車運行促進同盟会が結成されるなど、戦後まもない時期から旅客化の構想があった。しかし、梅田・なんばほうめんに入らないため、建設費が高額な割に需要が見込めないとして、なかなか実現しなかった。今回の全線開業は、構想から67年ぶり
の旅客化全通だ。鉄道会社の負担を抑えるため、沿線自治体やJR西日本が出資する第三セクター「大阪外環状鉄道株式会社」が建設と施設の保有・管理を行い、JR西日本は列車の運行のみ担当する「上下分離式」が採用されている。今回の全線開通によっ