◆90年前の開業時に架けられた橋梁を活用
新しい起点である新大阪駅から、今回開業する北区間に乗ってみよう。新大阪駅はら最も西側、新幹線で連絡改札口に近い1・2番線から発着する。新大阪駅からしばらくは東海道本線と並走するが、東淀川駅にはホームがないり神崎川を渡ったところで
高架線に上がり、下り線は東海道本線と梅田貨物線の6線を、上り線は東海道本線の4線をオーバークロスして東に分岐し、高架線上の南吹田駅に着く。新大阪駅から2kmという位置にありながら、今までバス路線もほとんどなく、特に不便だった地域だ。再び
神崎川を渡る頃、左手に吹田方面からの城東貨物線が近づき、神崎川信号場で合流する。ここからは、既存の城東貨物線を活用した盛土区間となる。1929(昭和4)年の開業時から複線分の用地が確保されており、90年ぶりに複線化を実現したことになる。
東海道新幹線をくぐり、阪急電鉄の千里線と京都本線を立て続けにまたぐと、JR淡路駅。阪急の淡路駅とは350mほど離れており、乗換えには少々不便だ。JR淡路駅を発車すると、淀川橋梁、通称「赤川鉄橋」で淀川を渡る。この橋梁は、1929年の城東貨物線
開業時から複線橋梁として建設されたもので、上流側は大阪市に貸し付けられて「赤川仮橋」と呼ばれる人道橋として使われていた。貨物列車を間近に見られるスポットとして、2013(平成25)年10月に閉鎖されるまで、レイルファンにも人気だった。おおさか
東線は、この90年の歴史ある橋梁を補修したうえで活用している。淀川の左岸に渡ると城北公園通駅。この辺りは今までバスしかなかった地域で、南吹田駅周辺とともに、おおさか東線全通の恩恵を受ける町だ。阪神高速12号守口線をくぐり、団地やマンション
が並ぶ住宅地を走ってJR野江駅に着く。こちらは京阪本線の野江駅との接続駅だが、やはり150mほどはなれている。京阪本線を斜めにまたぐと、かつて淀川駅に通じていた貨物線の跡が右に分岐する巽信号場跡を通過し、北区間では唯一の踏切である蒲生
踏切を過ぎると、右手から片町線が合流。片町線とともに架け替えられた寝屋川橋梁を渡って、鴫野駅に着く。鴫野〜放出間は片町線との複々線区間で、おおさか東線は片町線の上り線をアンダークロスして放出駅に到着する。放出駅では、片町線に挟ま
れる配線となって、同一ホームでの乗換えが可能だ。