315名無しでGO!2020/09/19(土) 11:18:36.42ID:nUXJgX7g0
>>302 >>304 呉王、王子慶忌を殺さんと欲して、之を能く殺すものなく、呉王之を患う。
要離曰く、臣、之を能くせんと。
呉王曰く、汝、悪んぞ能くせんや。吾、嘗て六馬を以て之を江上に逐えり。而れども及ぶこと能わず。之を射て矢、左右把に満つれども、
中ること能わず。今汝剣を拔けば則ち臂より挙ぐること能わず、車に上れば則ち軾より登ること能わず。汝悪んぞ能くせん。
要離曰く、士は勇ならざるを患えるのみ、奚んぞ能わざることを患えん。王誠に能く助けなば、臣請う必ず能くせんと。
呉王曰く、諾と。
明旦要離に罪を加え、妻子を摯執し、之を焚きて其の灰を揚ぐ。要離走げ、往きて王子慶忌に衛で見ゆ。
王子慶忌喜びて曰く、呉王の無道なるは、子の見る所なり、諸侯の知る所なり。今子免るるを得て之を去るは亦た善しと。
要離、王子慶忌と居ること間有りて、王子慶忌に謂いて曰く、呉の無道なること愈々甚し。請う、王子と往きて之の國を奪わんと。
王子慶忌曰く、善しと。
乃ち要離と倶に江を渉る。中江にして、剣を拔きて以て王子慶忌を刺す。王子慶忌之を卒み、之を江に投ず。
浮かべば則ち又た取りて之を投ず。此くの如くすること三たび。其の卒に曰く、汝は天下の國士なり。