彼がメディアを丸め込むために用いたさまざまな方法について。2012年、彼の著書『電通と原発報道』はほとんどのメディアが黙殺したにもかかわらず、数ヶ月の間ベストセラーとなった。
本間は著書で無視することのできない媒介者である電通がメディアに対して、原発について書いてよいことと書いていけないこと、どういう条件の場合にそうなるかを暗黙裏に指示するメカニズムを仔細に記述した。
「電通は特別な地位を占めています。日本における原子力広告市場の80%を占有しているからです。」本間龍氏は上野駅の喫茶店で行われたインタビューで私たちにそう指摘した。
2012年、広告市場において、地域企業である東電は広告費については10位に過ぎず、三菱重工業より下位にいた。その知、福島原発事故の直前に、東電は200万ユーロ以上を広告に投じた。
10社ある地域の電力会社の広告費総額は700万ユーロに達した。
この数十年、とりわけいくつも事故が続いて原子力に対する疑念が高まってきた1990年以降、東電と他の電力会社は広告スポットとジャーナリズムへの広告記事を増大させていった。
テレビでは、この広告出稿はそれだけであらゆる批判を封じることができる。大企業はトークショーや1クール丸ごとのシリーズをしばしば提供する。
自己検閲は一般に行われており、これに異議を唱えることは事実上不可能となっている。
しばしばドキュメンタリー番組が電力会社の連合組織であり、原子力ロビーの中心的なアクターである電事連によって製作され、原発事業の利点を宣伝する。
原発反対の声はなかなか聞き届けられない。それをすれば貴重なスポンサーを失う怖れがあるからである。福島の事故後、山本太郎はその犠牲にされた。
彼はタレントとしてそれまでスタジオにレギュラー出演していたが、反原発の立場を明らかにしたために、いきなりテレビ界そして映画界においてさえ、「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に認定された。
今に始まったことではない。ずっと以前から、広瀬隆や小出裕章のような反原発運動の中心人物たち、ベストセラー作家は事実上テレビスタジオに登場することがなかった。福島の事故以後も。
本間が告発するこの「メディア支配」は原発にのみかかわるものではない。彼の著書では、トヨタのアクセルペダルの不良についてのリコール事件についても言及
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