>>954
思い返してみれば、私は小学生のころからクイズ番組が大好きでした。特に『アメリカ横断ウルトラクイズ』に憧れていて、「ヘリコプターに乗ってニューヨークに行く!」、ずっとそう思っていたものです。
残念ながら番組は終了してしまいましたが、様々なご縁がつながって『東大王』と出会ったとき、
私は本当に久しぶりに「そうだ、私、あんなにクイズ番組が大好きだったじゃない」と子供のころの無邪気な気持ちを思い出しました。だから私にとって、『東大王』は
子供のころの夢をかなえてくれる場所であり、真剣勝負に夢中になれる場所でもあるのです。出演した日の夜は興奮して眠れず、
さらに次の日の夜は悔しくて眠れないということもあります。

 なので、実はあまり言わないようにしていますが、『東大王』に出演し始めてから、マメに色々と調べるようになりました。ふと見た広告に知らないワードがあったらすぐ調べるし、地力を上げるために普段から新聞を読んだり
本を読んだり、すべてが情報だと思って日々過ごしています。
世界遺産検定一級用の本やことわざ辞典を買って、寝る前に読んでもいます。

 大切なのは番組中に知識の引き出しをパッと開けられるかどうか。本書は「戦いの記録」であると同時に、私にとって「クイズ用の身体」を作り上げるためのアイテムにもなってくれそうです。

 最近、とみに感じるのは「『東大王』は頭脳のスポーツだ」ということ。人間対人間の真剣勝負だからこそ、戦いを終えたら相手を称えたくなる。オリンピックの種目にしてほしいくらいです(笑)。

 四十代後半を迎えた私に、こんな前向きな気持ちや闘争心を呼び起こしてくれた『東大王』との出会い。アスリートである東大王チームに挑む気持ちで本書を読み、番組を見ていただけたら、東大王の凄さをもっと分かっていただけるかもしれません。

 ああ、もう一度大学生になれるならクイズ研究会に入りたい! この本を抱えて番組に備えながら、そんなことを考えたりもする今日このごろです。
https://www.bookbang.jp/review/article/560881

by富永美樹

好きと言う気持ちと負けたら悔しいと言う思いで努力するから。