ようするに、公安は自分たちの予算を守るために、新左翼セクトの小さな事件を必死で大きく見せて大々的な捜査を展開しているだけらしい。

 だが、安倍政権下ではこの公安警察の体質は改革されるどころか、さらにエスカレートしていくだろう。何しろ、安倍首相、山谷えり子国家公安委員長と、在特会などの右派組織に近く、
その一方でありもしない左翼過激派の謀略論をふりまくのが大好きな政治家が組織のトップに立っているのだ。
警察官僚がこの空気を忖度しないわけがない。

 実際、朝日新聞の誤報問題の後、
慰安婦報道に関わった朝日OBが教員をつとめる帝塚山学院大学、
北星学園大学に対して行われた爆破テロの脅迫事件では、
公安はほとんど捜査らしい捜査をしていない。そして、
対照的に京大の捜査はさらに続行する予定だという。

「“ポポロ事件”のほうも京都府警が立件するつもりらしいですね。ただし、取り押さえられた捜査官がそのとき『休暇中だった』と嘘をついてしまったので、
公務執行妨害でなく、
傷害罪で捜査を進めているらしい。
とても公判にたえられるとは思えませんが、
それでもいいみたいですよ」
(前出・関西在住のジャーナリスト)

 日本は警察国家というより、
幼稚な陰謀国家になりつつあるらしい。
(野尻民夫)