8050問題 背景はひきこもりの長期高齢化
今年1月、札幌市のアパートの一室で、82歳の母親と52歳の娘の遺体が発見されました
「2016年の内閣府の実態調査によると、同じようなひきこもり状態の人たちが全国で54万人と公表されています。ただし、これは39歳までで、40歳以上の方々の数がカウントされていません。」

ワンステップスクール主催の集まりに参加した、20代の息子が引きこもりだという女性は
「息子が夜中にコンビニに行くたびに生きているんだと思う。だから眠れない。でも自分の家の恥のような気がしていて、誰にも助けを求められなかった」と明かした。

また、40代の息子が引きこもりだという女性は
「いい歳なのに未だに仕送りを頼んでくる本人は株やアフィリエイトで生活をしたいと言っている
10年間もそれが続いてる。地道に働いて自立してほしい」
と打ち明けた。

廣岡氏の姿は茨城県にあった。引きこもり生活が続いている本人を交えて直接話し合うためだ。

 "早い段階で自立させたい"。そう願う母親の意を汲んだ廣岡氏は「この家庭はお母さんがいなくなってしまうと家計を維持できなくなってしまうが、
体力的にも精神的にも年齢的にも、面倒をみるのが難しい年齢に入ってきている」と語りかけ、スクールで自立支援を受けるよう説得を試みる

しかし男性は「できれば人とあまり接したくない!アフィや株で生活する」と一蹴した。

廣岡氏は
 「ここに住んでるんでしょ?仕送りもらってるんだよね?おまえは仕事してないんだよ。親が養ってるってことなんだよ!40歳の男が昼間ゴロゴロしてる姿見られると思う? 」

「俺は一人でいいと思ってるんだよ、死ぬ時も一人でいいと思ってる」

 と、話し合いは口論のようになってしまった。
廣岡氏は「自分で考えたい」という男性の気持ちを尊重し、2か月経って状況が変わらなければ支援スクールに入る約束を取り付けた

廣岡氏が校長を務める「ワンステップスクール」は、ひきこもりや不登校などの問題を抱える人のための全寮制学校で、職業訓練を通じ自立を目指して共同生活をする。
これまでに1000人以上が卒業し、自立した生活を送ることに成功している。現在10〜40代の約160人が在籍しているが、このうち半数近くが30歳以上だという。