第二次世界大戦が終わり、生き延びた人々は生活に困窮しながらも何とか、日常生活を取り戻そうと日々奮闘していた。
 しかし、そういった生活の中で精神的に余裕を失った親の中には、自分の子供を殴るといった行為に走る人々も現れ始めた。
 それが現在の成長した氷河期世代の人間たちではないだろうか。
 彼らは取り分け、感情のコントロールを魔の十四歳と言われる第二次反抗期からできなくなる。
 ある者は自分の肉体が臭いといい、またある者は自分の顔が醜いといい、給料から整形費用を捻出し、何回も整形を繰り返したがそれでも醜いといい、投身自殺した。(実話)
 そしてリストカットや冩血、オーバードーズ、過食、拒食、チューイング、違法薬使用、家庭内暴力とさまざまなアクティングアウトを行い始める。
 これらのすべては、先に述べた第二次大戦後の虐待から始まっている。つまり、世代間連鎖である。
 だからこそカウンセリングでは、三世代まで遡り、クライアントの話を訊くのである。
 所詮、病名などは布団のラベルにしか過ぎない。大切なのは、本人が何に悩み、苦しんでいるかに目を向けることではないだろうか。