政令指定都市で最多の転出超過、全市区町村で最大の人口減少に陥った神戸市が、「リノベーション神戸」と題した人口減少対策を始めた。
神戸市を子育て世代が定住したいと考える都市に変えるための施策で、今回が第1弾。
今後、第2、第3の施策を打ち出し、人口流出に歯止めをかけたい考えだ。
だが、かつて関西の若い世代を魅了した「神戸ブランド」に陰りが見える中、東京一極集中を乗り越えるのは簡単でない。
甲南大経済学部の足立泰美准教授(財政学)は「大阪市へ通勤する人が多数いることを踏まえ、神戸経済圏での自立を目指すだけでなく、関西圏全体を見据えた施策も盛り込む必要がある」と指摘する。


●公共空間魅力アップへ街灯を1.5倍に
リノベーション神戸の第1弾は神戸の都市ブランドを向上させるため、公共空間の魅力アップにつながる施策を並べた。
コンセプトは「明るいまち」、「駅前空間の刷新」、「やさしいまち」。 
第1弾の対策費約36億円を含む2019年度一般会計、企業会計補正予算が9月に市議会で成立したのを受け、事業が動き始めている。

「明るいまち」は三宮地区など繁華街以外の場所を夜間に明るくすることで、女性や子どもが安心して歩け、快適に暮らせる街に変える。
このため、2020年度末までに駅周辺や通学路などを中心に街灯を現在の9万6000灯から約1.5倍に当たる14万4000灯に増設し、すべてLED化する。

「駅前空間の刷新」は2019年度中に西区の市営地下鉄伊川谷駅、須磨区のJR鷹取駅などで樹木や植栽を整備してライトアップするほか、
北区の神戸電鉄北鈴蘭台駅、西区の市営地下鉄西神中央駅などで駅前駐輪場の整備を加速する。
さらに、北神急行電鉄の市営化に伴い、北区の谷上駅でバスロータリーの改修に着手する。

「やさしいまち」では、2019年4月2日以降に子どもが生まれた世帯を対象に出生祝いとしてカタログギフトを贈るのに加え、
ひきこもり支援室(仮称)の設置や犯罪被害者支援の充実を掲げている。
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191011-00037097-biz_plus-bus_all