バイロープ・ガーネット(紅柘榴石)

ルビーやレッドスピネルと同じ酸化クロムによる血赤色。ルビー色の石はケープ・ルビー(南ア産)、アリゾナ・ルビー(アメリカ産)などと呼ばれており、長い間ルビーと混同されてきた。通常、多量に含まれる鉄分の影響でやや暗い
色になり、ロードライトと似た赤色のため間違えられやすい。
最も有名な産地はチェコスロバキアのボへミア地方。その他、南アフリカ、アメリカのアリゾナ、オーストラリア、タンザニアなどでも産出する。

スぺッサータイト・ガーネット

マンガンを含んでおり、色は橙赤色から帯紫赤色、帯褐赤色まである。多くはグロッシュラーライトのへソナイトと外観が似ていて間違いやすい。産地はアメリカ、スリランカ、ビルマなどである。

グロッシュラーライト・ガーネット(緑柘榴石)

ガーネットの中でも最も種類が豊富で、石灰を含む。中でも透明なへソナイトは帯褐黄色から帯褐澄色、帯褐赤色で、特に赤味の強い石はシナモンストーンと呼ばれている。産地はスリランカ、ソ連、ブラジル、アメリカなど。塊
状で産出する半透明の緑色の石は、ひすいに似ているため、トランスバール・ジェードとも呼ばれている。特に名はないが、半透明のピンクの石もある。緑色はクロム、ピンクはマンガンによる着色である。産地は南アフリカ、カ
ナダ、アメリカなどである。

アンドラダイト・ガーネット

宝石用として使われるアンドラダイトには不透明黒色のメラナイトと透明緑色のデマントイドがある。デマントイドは微量のクロムによって美しい緑色に輝き、産地名をとってウラルエメラルドとも呼ばれ、ダイヤモンドに次ぐファイ
アを持つ。しかし二?三カラット以上の石はめったになく、ガーネットの中で最も希少性が高い。メラナイトはその色から葬祭用の宝飾品として使われる。産地はイタリア、フランス。この他に宝石としては使わない黄色のトパー
ゾライトがある。
ウバローバイト・ガーネット
クロムによる鮮やかな緑色に輝く石だが、結晶が小さく宝石には使われない。
カイヤナイト(サイアナイト)
ギリシャ語の『Kyanos(青色)』から名づけられたカイヤナイトは、美しい青色がブルーサファイアを連想させる宝石です。 別名『サイアナイト(Cyanite)』とも呼ばれます。 淡い青色から深い青色を彩る宝石で、その他に灰色、灰
緑色もありますが、一般的に見られるものは青色石です。
結晶軸の方向で硬度が『4?7.5』まで大きく異なる、ディスシーン(ニ硬石)と呼ばれる特徴があり、この特性は加工が難しく、一般宝飾店にジュエリー完成品が並ばない理由となっています。
不規則な硬度差を持つ特性の為にカッティングが難しく、素晴らしいプロポーションを持っているカット石は極めて稀となります。
インクルージョンが多く見られる宝石で、色相が深くなり透明感が弱くなりやすい特徴があります。
クオリティの高い結晶を持っている宝石を見つけ難く、高品質石は注目度が高くなります。
美しい青色を彩るレアストーンとして注目されている宝石で、技術的な難易度は高いものの稀少石ジュエリーの素材にも選ばれます。
ただし、特有の『ディスシーン特性』の為、デリケートに扱いたい宝石です。