大西武文(平成退屈男)のねずみ講にご注意
>>340
貴方は子猫が振るえ上がっているのをご存知では無いのですね!
事実を見る目をお持ちではないですね! >>342
平成23年って書いている、ボケが進行中 貴方達は素材があれば十分に理解する方々で、
「理不尽だから憲法違反」なぞを、
とやかく言う人ではないはずですがね?
それでは「憲法違反で有るから理不尽である。」では、
如何ですか。 >>345
芸能活動でできた収入を返してください。
もっと真面目に自分の家が震災したみたいなきもちで
このような玄海原発のある佐賀県にも数人住んでいて、
原発が怒ったらいやだと思うので、
働いていると思います。
信者の一般人や芸能人やとかを一生恨みます。 >>347よ! 答えろ!!! 逃げていながら!“こちょこちょと”卑怯な言動をするな!!! >>350
早朝のバイトから帰宅して、一生件名書き込んでいると、
おしりに痛み電波を怪しいしんこうしゅきょうの過激派が送信してきます >>350
日本は法治国家ではない事を
沢山経験してます。
組織的な不正・悪行には
手に負えないでしょうか?
立ち向かおうとしてる人を
精神病者や工作員にでっち上げ
闇に葬らせようとしているが。 >>350
ココ一月は、平日でも24時間卵子殺害電波や下腹病気工作電波で
不正遠隔操作電波を送信されている恐れがあります。 ヤフーの投稿ブログを管理している一部の管理者の中に、表示名(basaraのぶろぐの投稿を妨害する極悪卑劣な管理者がいる様です、おそらくその管理者は表示名を北詰淳司とアジアシステム開発産業ヒラノと称するグループであると思われます。 >>354
ひっきりなしにオナニーばっかりやってるので
右手の握力は十分つきましたが、左手の握力がつきません。
大西の逸物かお尻をもんで左手の握力をつけようと重いますが、
協力してくれるでしょうか。
きっと大西なら手助けしてくれるよね。
おしまい。 教師のしもべ・ヒツジこと辻正人の母校・松阪高校が夏の甲子園初出場 このスレは、政界関係を論じるものです。
当方を論じるスレでは有りませんが? >>358
そうです、当方には通用しません!
必ず大きな問題に成るでしょう!
どうして、こー成るのでしょうかね?
そんなに、当方は大人しく見えますか? あれほど反目しあった北詰淳司と和解したのか
また、淳司の掲示板に出てきた大西、
いまだに流行らないチャイバなんて侮蔑語使っている これ↓は何ですか?
司法改革に関する提言
司法改革を妨害する偽物をまず粉砕する必要がある
http://blogs.yahoo.co.jp/seikai012345 22年間、「妄想」を展開して、「全智全能のアンドロイド」という、究極の結論に到達した。
これで私の「妄想」は、一つの決着を見た。
ひたすら、「妄想」を追いかけたが、これからは、どういう妄想を追いかけようか、
悩んでいたが、一つ、いい事を思いついた。
それは、「美女」である。「美女の妄想」である。果ては「美女の大陸」に行き着く。
そこに至るまでの過程を、「妄想」で、追いかけたらいい。
「ランジェリーの美女」に囲まれた生活を送れたら、「天国」だろうな。
「屋外」では、上着を着用させるが、「屋内」では、「ランジェリー」である。見ているだけでも、ワクワクする。
こんなところから始めて、どこまでも、果てしなく「妄想」を、展開するのだ!
がんばるぞ! 呑川に浮かぶ ザーメン (; -y-)ツ)) クチャイクチャイ
アーメン・南妙法蓮華経 (* ̄ノ ̄)/Ωチーン (* ̄- ̄)人 i~
南妙法蓮華経 合掌 享年23歳 >>345>>347
antispam:架空請求・スパム対策[重要削除]
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku2ch/1273758991/210-
210 :佐藤 :@yahoo.co.jp :2013/01/25(金) 22:16:42.00 HOST:s243021.dynamic.ppp.asahi-net.or.jp<8080><3128><8000><1080>[220.157.243.21]
対象区分:[個人・三種]優先削除あり
削除対象アドレス:
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/antispam/1202973125/345
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/antispam/1202973125/347
削除理由・詳細・その他:
誹謗中傷
個人を完全に特定する情報を伴っているもの プリケー 板 トバシ各種 絶賛販売中!!
詳しくは↓まで!
puriyama666@softbank.ne.jp >>368
213 :削ジェンヌ ★ :2013/01/26(土) 13:24:41.16 0
>>210
詳細な、またはそれに準ずる住所は確認出来ず
予備知識のない第三者からは個人特定不可能と判断。残しました。 削除されたら
大西の悪事を曝す場がなくなるから
関係ないことを書くな! 叩いて下さい(^O^)↓
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/intro/1358597274/ 大西=pino=自作自演馬鹿を叩きましょう!様々なコピペ貼りまくって遊びながら倒そうではありませんか >>372
貴方は事件に巻き込まれた事は無いのですか。
当方の事件で「第三者とは」誰ですか。
説明をお願いします。 あすは蒲田でいきあいますか?
それとも、新宿で?、それともアソコで? 逮捕の根拠である防犯ビデオは、証拠価値すら認められなかったからか、
地裁でも提出・開示出来ず、被告のビデオデッキを押収し、
“ !!! 堂々改ざん !!!! ”
最高裁で、9人の最高裁判官が
“ 還しませ〜ん 〜 ♪ ”
の、大合唱 ♪
その後、地裁から “ 受取れ ! ” 地裁は、最高裁判所の上部機関か ?
地裁・警察はとうとう最高裁判所の正体を暴露し、高裁裁判官は当然、最高裁判官9人も共犯者に仕立てた。
そう感じるのは、儂だけか ?
日本の司法が信じられなくって御免なさい。 >>375
子育て支援金といって日本の財政を盗んでいるのだから、
そんな汚れた人たちと大和のできのいい元お公家さんとか溝口健二とか
三島由紀夫なんて美しい人の遺伝子を勝手に使って自分の汚れを半減して
家柄がいいとかいっていきったり偉そうにするのはやめてください。 お知らせ
市原警察署の生活安全課の帰化人創価警官の指導の元、
入学式から2週間ほど、在日の創価学会員を主体とした自称防犯パトロールが、
2週間ほど行われることになりました
生活安全課の指導であることと、パトロールであることは、
絶対に公言してはいけないとの指導も、帰化人創価警官より出ています
期間中は2人組の在日の創価学会員が、頻繁に創価批判者の自宅周辺を、
うろつき回ると思われます
日本人の方は、充分に注意してください >>377
おしりはいつも、電磁波で振動があってそれも座っていたり
寝ているだけで、振動がきて病気になるようなで電磁波なので、
殺されそうです。
人の生命の誕生大事そうなおしりのデリケートゾーンに毎日24時間かけて
不正電波を送ってくる人間! 小山田圭吾なんてたいしたことないのに、王子様扱いさせるために努力をして、
小山田圭吾はことごとく自分より出来がいい大和民族を弾圧したり、
結果3億4000万人が戦後67年で影で弾圧されて
この13年で800万人が替え玉工作されて殺傷されて、
約135万人が整形された替え玉工作員と入れ替えられて拉致されてあり、
ゆきのいやらしい所がパソコンの画面が今までより超痛くなっていて
視力が1日3時間で0・5くらいづつ悪くなりそうな不正電波が出て変化していて、
画面をすこしななめにずらしておいているのに頭を睡眠薬を入れられて
悪くなっているので、記憶力が悪くて、また画面の電波が直接くる場所にいてもきずかすに
2時かん以上やっときづいて書きこむ今の状態!、
これも夢でゆきが毎日覗いていて私に悪さしたら書き込むので
宣伝になるみたいでこんなことでしか出世できないです。
研究するのに嘗め回すように見ていてきしょいです。
誰かどうにかしてください。 ドイツの大和民族ので気のいい遺伝子と
ドイツの遺伝子でドイツ政府がつくったと
根拠のない睡眠夢がいった
超天才のハーフが2012年8月にそのことを聞いて
この題名を読んで、
救援活動を少しだけしてくれて(だいぶの人もいるそうです。)いた人たち50人と
その家族5000人がドイツ政府の一部屋に
整形した工作員と入れ替えられて拉致隔離監禁されている恐れ50%で
2013年4月14日(日)の日本時間からのことで?
今日で、4日目で、パソコンとテレビとラジオを3台づつ設置されたといわれました。 >>380
偽者が現れましたね!
貴方は何処の回し者ですか?
これこそが証拠です! 俺は別に、どこも悪くない。ピンピンしていて、一日中、自転車で走り回っている。 花火の打ち上げは、
山の奥の谷間での打ち上げに等しく、
更に里に見えないように、
悪人が黒幕を張りますからな!
利口な行動では有りませんよ! 木材を腐らす雨を降らせて
世界最古の木造建築奈良の法隆寺のとかのある木造建築世界1だった
日本の技術を盗んで建造物も盗んでいる容疑で
残っているものを腐らすのに努力していそうです。
だから民家の中古の木造建築に引っ越しても腐りやすいで。 >>385
おめでとう ♪ (・_(・_(・_・。)ノ☆・゜:*☆【ネ兄】;:*:;゜:*☆ヽ(。・_・)_・)_・) オメデト(^_^)∠※PAN! >>386
反日でも、反政府主義者でもないです、ただ、
なんの落ち度もなく、官民が共謀した
公権力犯罪の被害を受けて訴えてる中、
(発端は、私名義の不動産を官民が共謀して強奪し、
虚偽病名で病気を装い保険殺人を、、、)
これに気づき沢山の証拠を持て訴えようとしたら
あらゆる所で、スパイ映画に出てくるような、
想像もできない事を沢山目撃・経験してます 貼り付けはやめろ!
投稿者:アジアシステム
投稿日:2010年 2月 2日(火)02時00分0秒
<img alt="" height="60" src="http://tbn0.google.com/images?q=tbn:uU4LKrr6yhXDiM" width="60" /> 平成版より
投稿者:平成退屈男投稿日:2010年 1月25日(月)17時34分41秒
o.44938 Re: No.44934 > 無(当然)いで済むものを提出し、それを公開し、内容にも事実が在るとなれば、
深意とは“深い意味”と説くもの! ◆ やはり、自白した ⇒ 検察官の虐め行為の隠蔽か ?
Re: No.44932 > 真実は強し! ◆ 先に手を出したのは ? 目撃者まで居るのに。。。 > 入歯はいずこへ?
◆ ポケットから出て来た乾いた入歯 ! 折れた歯は ? >
武道は<img alt="" height="60" src="http://t1.gstatic.com/images?q=tbn:J_EppRMZ8L3s8M" width="42" />
凶器、これ見よがしは脅し! ◆ 週2回干していたのが、11月2回・事件以降、12月1回・1月0回(?当方確認のみ?)
此れを地元警察が、事実を歪曲 ! 保証・指導して、未だに“隣家に無断で掘り返した跡(?境界石の位置を掘利返した?)”は、
未だ其の儘である。 いまも、国会が始まっているのに、小沢氏に絡み、国政妨害をする官憲(検察) !
大相撲中の横綱の行為は、初場所優勝が決まっても、表彰が終わる今日まで、8日間も報道規制した 官憲(警察)。
自民党は政権奪還の狼煙か ? 菊を預けるにはまだ程遠いぞ。 まだかな♪(・ ・。)(。・ ・)まだかな♪ よく耐えられて、生存出来た事を祝福します。
お( ̄○ ̄;)め( ̄◇ ̄;)で( ̄△ ̄;)と( ̄0 ̄;)う( ̄ー ̄;)
さあ
“刈り取りの時期”
です。 平成退屈男って、狛江市の住民なんだ
狛江の向こうの川崎に叔父がいてなたまに行くんだよ
ひょっとしたら お前に何処かで会っている可能性があると思うとぞっとする
あそこには 東京で有名ながんばる酒蔵があったな。飲んだぞ。うまかったが
もっとも お前が手淫の手で銘酒を飲むとぞっとする これも
まあ お前に高級酒は向かない お前は最低の合成酒で 脳をおかしくしてくれ
狛江にお前住んでいると言うことだけでむかつく お前の存在は狛江市を侮辱している
狛江市民に失礼だ 狛江の皆さん こんな男は市民ではありません 見かけたらヒパタイテやってください
出て行け 狛江から 市民をなめるな Commented by urai さん
平成退屈男さん、ページを拝見したこともなく、前後の事情も全然存じ上げませんが、意見を述べるのがブログの本筋。また再開されることを望みます。 >>391
頭の良い貴方が解らないのですから!
今日はこの点の全てを確認しましょう!! >>382
いやぁ、2chのスレで最初に書き込んだ板とかのお題で、
ふと退屈男とか革命とか思い出し、ググッてみたら・・・
ま〜だ、やってたんだヒツジさんw ある意味なつかしいw あんたの贅沢のせいで大和皆かわいそうな目に会っているよ!
本とか歌詞とは違う人間性で世界に大和資産をあげたお布施代で仕事を貰って
大和民族のなを使って大和音楽ファンをだましたような歌詞で生きるのやめて!
迷惑!もっとみんな人間性良かった!
汚れた仕事を大和民族の名でしないでください!迷惑です! >>396
待って下さいよ!まだ、今するとは言ってませんよ?
正当な行為ですよ。
ほりえもんさん関係がいろいろと教えてくれていますよね。 /⌒ヽ⌒ヽ
Y
八 ヽ
( __//. ヽ,, ,)
丶1 八. !/
| ! i 、 |
| i し " i '|
|ノ ( i i|
( '~ヽ ! ‖
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/ ノー;;;;;;;;' ll ゙;;;;;;; )
/ ,/ ,,`ー・- -・-.ミ
/ リ )( ・・) ゙)
~|/ i| ∵ __⊥_ :.ノ
| |i、 ´ 二,`ノ
_c‐-、_,-‐ー-、__ノ人ヾ\゙ ー‐ -イ,_,_,_,-‐-‐ー-、_,-‐っ_
.E≡ ~´⌒\::::. ゞ ≡∃
 ̄`' ̄~`‐-、__,_ ィ , ヽ , ) _,、__,-‐'~ ̄`' ̄
~`;; ^ ー '` ー ' ヽ`~
l ヽ
| ⌒ !
,-‐ー- 、__ l ,,,@,,, ノ __, -‐ー- 、
( ~⌒ ⌒ )
\ ヽ ■□■■□■ノ /
\ ヽ、 ヽ■□■■□ ,ノ /
\ l`ー‐--ー‐■■□■□-ー‐'、 /
〉 イ □■□■■ 〉 |
/ ::| (_ヽ \、
(。mnノ `ヽ、_nm ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者 また詐欺行為か警察は監視中
ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者 また詐欺行為か警察は監視中
ASエーエスマネジメント詐欺師望月信宏容疑者
また詐欺行為か警察は監視中詐欺業務多忙のため、当ホームページよりお問い合わせ→お申込みをしていただいた場合、費用から¥3000-割引いたします。
*お電話でのご相談の場合は、割引は適用になりません。
お振込先みずほ銀行 渋谷中央支店
普通 4791211有限会社 エーエスマネジメント
20代女性に「店任せる」と詐欺繰り返す
警視庁新宿署は15日、無職女性(25)に「ブランドショップの店長を任せる」などと
うその話を持ち掛け現金約110万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で住所不定、無職望月信宏容疑者(34)を再逮捕した。 月の影
ディアナ(月)同盟軍は、宇宙機動艦隊を主力として、艦隊を横に並べて防衛線を張った。地球方向からは、無数の星のように光る地球連邦軍の大艦隊が接近してくる。
ディアナ軍旗艦の宇宙戦艦「ライファー」の同盟軍総司令官・バルバス提督の司令室に、敵から画像通信が入った。通信員がバルバスに報告する。
「提督、連邦軍から交信です」
「出せ」
すると、正面のスクリーンに、一人の男が映し出される。地球連邦軍総統・イクナシオンであった。バルバスは見上げて感嘆した。
「ああ、きさまか・・・」
相手も軍艦の司令室に居るらしい。宇宙服ではなく、軍服を着ている。無数の勲章が胸に輝いていた。
「バルバス、無駄な抵抗は避けよ。勝敗は目に見えている。俺は月の人間の血を流したくないのだ。
なぜ、降伏しない?ただ俺を総統として迎え入れれば、自由と平和が約束されるのだ。まだ間に合う。
いま、おまえが一言、全軍に停戦を命令すれば、誰も死なずに済むのだ。さあ、停戦命令を出せ」
バルバスは、右の拳を握り締めた。 デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね
デブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ねデブ豚死ね 「地球は独裁制で、おまえが考えた事はすべての人間が命令に従がうが、月は議会制である。私はただの将軍であって、独裁者ではない。
地球が攻めてくるならば、抗戦する事を、月の全ての国家が決定したのだ」
イクナシオンは、笑った。
「ならばバルバス、今停戦を発令すれば、その場で、私はおまえをディアナ軍総司令官に任命する。月の軍隊は、おまえのものだ。
悪い話ではあるまい。考えてもみよ。我が軍の艦隊は三八六隻、宇宙戦闘機は四八〇〇機、・・・おまえの軍は、いったいどれだけなのだ?」
バルバスはスクリーンを睨みつけた。
「私は嘘は嫌いだ。艦隊はおまえの十分の一以下、戦闘機も二十分の一だ」
「フフフ・・・バルバス、やめておけ。物理的に計算しても、我が軍が四十隻失っても、おまえは全滅する」
バルバスは、「フッ」と、苦笑した。
「そうだな・・・おまえの言う通りだ・・・」
「おお、バルバス、同朋よ、理解してくれたか。では、停戦命令を出せ」
「分かった・・・」
バルバスは、立ち上がった。大声で怒鳴る。
「この通信の発信源を突き止めたか?」
司令室の部下に聞いた。
「発見しました!」
「よし、宇宙潜水艦隊に攻撃命令!」 聞いていたイクナシオンは、
「きさまあ!俺を騙したな!」
「男は針の穴のチャンスに賭けるのだ!」
バルバスが喚くと同時に、地球軍艦隊の後方で、突然、数隻の潜水艦が姿を現した。
「総統、敵の潜水艦です!」
イクナシオンの司令室が騒ぎ始める。振り向きざま、通信を切った。それと同時に、数十発の魚雷が旗艦に向かって飛んできた。
「しまった!」
一発が旗艦の戦艦に命中する。
ディアナ軍のバルバスの旗艦では、「敵の旗艦に命中!」と、報告があった。
「よし、戦闘機、全機発艦!空母を叩け!」
地球軍艦隊の中央後方で大きな爆発が起こり、明らかに全軍が動揺しているのが分った。
「駆逐艦は突進しろ!戦艦・巡洋艦は、ミサイル発射!」
バルバスの怒号が司令室に響く。
地球軍の後方に現われた潜水艦隊は、魚雷を撃つと姿を消し、また現われては魚雷を撃つ、という攻撃を繰り返した。
とにかくイクナシオンの旗艦が被弾して、命令が全軍に伝わらないので、動きようがない。
ディアナ軍は、次に空母を集中して狙った。戦闘機が発進できないまま、次々に被弾する。
イクナシオンはようやく、旗艦から小型船で脱出して、
「全軍、反転帰投せよ!」
と、撤退命令を出した。地球軍の大艦隊が、全軍、反転を始めた。
バルバスは大声を張り上げる。 「深追いするな!イオン砲の届くところまでにしろ!艦隊は動くな!哨戒機、敵の被害状況を調べて報告せよ!」
数百の煙を吐きながら、地球連邦軍艦隊は、地球へ向かって帰投をしていく。
やがて、哨戒機の部隊から連絡が入った。それを印刷して手に取り、バルバスは読み上げた。
「旗艦戦艦中破、空母二隻撃沈・八隻大破、十三隻被弾、戦艦七隻大破・・・」
読み上げると、
「よし、戦闘機を帰艦させよ。月に帰投する!」
のちに「第一次宇宙海戦」と呼ばれた戦闘は、ディアナ軍の圧勝で終った。 月の空軍基地の門で、エミリは待っていた。手には携帯電話を持っていた。そのメールをまた見てみた。
「数日間の休暇が出た。十三月三日、基地の門で待っていてくれ」
それを見て、また、「うふふ」と、一人で笑う。
やがて、基地から軍人たちが、ぞろぞろと出てきた。エミリは集団の中を探した。
「おい、おい・・・」
手を振って走り寄ってきたのは、「中尉」の階級章を付けた若者だった。
「ウルコフ!」
叫ぶと、相手の男に飛び上がって抱きついた。
「やっと休暇が取れた。何か食べに行こう!」
ウルコフが誘う。駐車場に行き、自動車に乗って、エンジンをかけると、車体が少し浮いて、車輪が格納された。車は発進する。レストランに行った。二人で入る。
食事を注文すると、エミリは、ウルコフの顔ばかり眺めていた。そして、
「月でみんなが噂してるよ。バルバス将軍がイクナシオンを破ったって」
嬉しそうに話す。
「ああ、だから休暇が出た。当分、月に攻撃をかけてくる様子はないから、今のうちに休んでおけ、と、将軍の命令だよ」
「へえ、イクナシオンは死んだの?」
「とんでもない。あの怪物が簡単に死ぬか」
「じゃあ、まだ戦争は続くの?」
「ああ、今、参謀本部は作戦を立てている。軍事機密だから詳しくは言えないが、まだ思案している最中のようだ」
「休暇はいつまで?」
「一応、三日だけど、いつ収集がかかるかは、分らない。何せ、イクナシオンが、月も支配しようと挑んできているからなあ」
エミリは運ばれてきたスパゲティを食べながら、
「あなたは、宇宙戦闘機パイロットでしょ?敵の軍艦をやっつけたの?」
ウルコフはウナギ丼を食べながら、
「俺は爆撃が専門じゃない。爆撃機の護衛が専門だから、船は攻撃しないよ」
「ふーん」
と、じっと見つめてから、
「死なないでね」
と言った。ウルコフは、
「それは、保証できないな。イクナシオンは、一人で地球を統一した英雄だ。それと闘っているんだからな」
「そんなに強いの?」
「強いってもんじゃない。今度襲ってきたら、負けるかも・・・」
「負けたらどうなるの?」
「イクナシオンを神として崇めて、娯楽は禁止され、毎日6回の礼拝をさせられ、美人はみんな、イクナシオンの妾にされる」
「ヒャッ」
奇妙な声を、エミリが張り上げた。ウルコフは「あははは」と笑い、
「大丈夫、おまえは取られないよ」
「どういう意味だ」
エミリは少し、不機嫌になった。 エミリを家まで送ると、ウルコフは自宅に戻った。母・マチアが待っていた。
「やあ、母さん、数日だけ戻れたよ」
母は嬉しそうに、
「ますます父さんに似てきたよ。さあ、入りな」
ウルコフは靴を脱いで入った。そして仏壇に行って、父の位牌に手を合わせた。軍服姿の写真が飾ってあった。
「食事にするかい」
台所から母が声をかけた。
「ああ」
二人で、食卓についた。母が食事を用意して、一緒に食べ始めた。母が話しかける。
「前の戦争に、出てたんだろ」
「ああ」
「やっぱり最前線かい」
「もちろんさ。戦闘機乗りだからな」
「・・・」
母は少し黙ってから、
「父さんも立派なパイロットだったけど、・・・エミリちゃんを悲しませてはいけないよ」
「でも母さん・・・」
箸で新香を摘まむと、
「俺は軍人なんだぜ。しかも今度の敵は、月の国じゃない。地球なんだ。宇宙戦争なんだよ。どうなるか分ったもんじゃない」
マチアは暗い表情で、
「息子はおまえだけだ。もし死んだら、私はどうすりゃいいんだ」
「・・・」
それには、答えられなかった。
「無茶はしないさ・・・」
そう、言い訳をするのが精一杯だった。 その頃、ディアナ連合軍・作戦会議室。
バルバス提督を中心に、ディアナ軍の軍幹部が集まっていた。テーブルには、地球の首都・ニューヨークの画面が映っていた。参謀の一人が指揮棒で説明する。
「特殊部隊に偵察させたところ、このような物体が造られていました」
バルバスが聞く。
「なんだこのピラミッドのようなものは?」
「はい。エネルギーレベルを計測させたところ、我々の使用している液化水素燃料の一億倍以上のレベルを計測しました」
「一億・・・なら、核融合だな。やつらは開発に成功したのか」
「そうらしいのです。ここから、プラズマを放出して、すべての兵器の動力源としているところまで、突き止めました」
「そうか・・・では、これを破壊すれば、敵は動力源を失う訳だ」
「もちろん、予備として液化水素は持っているでしょうが、核融合を武器にした兵器は使用できなくなります」
「核兵器だと?もう開発しているのか?」
「いいえ、まだです。しかし、このピラミッドを破壊せねば、月を丸ごと消滅させる核兵器を開発してしまいます」
「急がねばならんな・・・どうやって破壊するか・・・」
他の参謀が意見した。
「この建物の耐久性はどうなのだ?」
「はい、それこそ水爆にも耐えられます。イオン砲など、何の役にも立ちません」
バルバスは、腕組みして手で顎を弄った。
「この穴は何だ?」
「これですか、排気孔です。核融合の排気を行なっている穴です」
「うーむ・・・ここに、ミサイルを撃ち込んだらどうだ?」
「穴の直径は、わずか十メートルです。しかも長さは核融合炉まで、数キロメートルあります」
「まっすぐなのか?」
「ええ、超高温の排気熱を放出させますから、曲がっていては、排気通路が溶解しますから、まっすぐです・・・何か知恵でも?」
バルバスは考え込んで、
「排気通路の構造など、それほど耐久性は無いだろう?」
「ええ、それが何か・・・」
「なら、方法があるかも知れん」
皆は、顔を見回した。 ウルコフは翌日は、朝からエミリとディズニーランドに行った。エミリは思いっきりはしゃいでいた。
ベンチに座ると、
「ねえ、私たち、そろそろ結婚しない?」
ウルコフは驚いて、
「軽いノリだな。そんな大事な事を・・・」
「あら?それとも他に誰かさんがいらっしゃるのかしら??」
顔を覗き込んできた。ウルコフは顔を背けて、
「いねえよ・・・」
そう答えると、エミリは、
「じゃあ、迷うのは、なぜかしら??」
更に突っ込んできた。その時、ウルコフの携帯電話が鳴った。
「はい・・・私です。・・・分りました」
電話を切ると、
「すまん。一旦、基地に戻れとの命令だ。すぐにまた出られるそうだから、待っててくれ」
エミリはプーと、頬を膨らませた。
「ちぇ、いいとこだったのに・・・」
ウルコフはエミリを家まで送ると、基地に戻った。
基地では、戦闘機のパイロットが三十人ほど集められていた。見たところ、部隊はばらばらで、知らない兵士ばかりである。待っていると、バルバス提督と、参謀本部の数人が部屋に入ってきた。最前列中央の大尉が、号令した。
「起立!」
「敬礼!」
皆が敬礼すると、バルバスも敬礼した。
「休め!」
皆が着席する。バルバスは、重く口を開いた。 「諸君、休暇中にご苦労。地球を攻撃する作戦が決まった」
皆は緊張して聞いている。
「ここに集められたのは、我がディアナ軍の宇宙戦闘機パイロットでも、最も優秀な兵士だ。誇りを持て。そして、簡潔に話すが、今度の作戦で、必ず戦死する任務に就くパイロットが、必要になった。人数は、三十人だ。いいか・・・」
皆は提督を凝視した。
「必ず戦死する。従って、この任務は、志願者だけにする。一日だけ考える時間を与える。志願するものは、明後日、午後十三時、再びこの部屋に集まれ。
そして、もうその者は、二度と家に帰る事は無い。これは命令ではない。志願である。志願した者だけに、作戦を伝える。そして、すぐに、任務に就いてもらう。
家族と別れ、遺書を書き、思い残す事のないようにしてから、ここに戻ってこい。なお、これは極秘であるから、志願しなくとも、記録として残らない。まったくの諸君らの自由意志である。以上」
「起立!」
「敬礼!」
「解散!」
号令が終ると、皆は部屋を出て行った。ウルコフは、突然、雷に打たれたような衝撃を受けていた。
ウルコフは、まず自宅に戻った。自分の部屋に閉じ篭って、思案する。
(必ず戦死する任務・・・)
ディアナ最高のパイロットの称号と引き換えに、自分の命を投げ出せ、という意味だ。
(どうする・・・)
母が部屋の外から、「ウルコフ、エミリちゃんが来たよ」と、声をかけた。「ああ」と、部屋を出て行く。
エミリと、車に乗った。 「どこに行きたい?」
神妙な顔で聞く。
「どこでも」
ウルコフは、
「一番、行きたいところは、どこだ?」
と、念を押した。
「何よ・・・変な奴・・・じゃ、海!」
「よし」
車を発進させて、海岸に向かった。砂浜で、並んで座った。空には、青い地球が浮かんでいた。それを見上げながら、
「エミリ・・・」
「なによ・・・あんた、おかしいよ。基地で何を言われたの?」
しばらく黙ってから、ウルコフは、
「・・・おまえには、嘘はつけない。でも、母には、本当の事を言わないで欲しい」
「・・・はあ?」
怪訝な顔をする。
「何が言いたいのよ?」
「エミリ・・・母には、俺は戦闘で戦死したと、伝えておいてくれ」
エミリは、じっと、黙って目を見つめていた。
「・・・死ぬの?」
「ああ・・・必ず・・・」
「そんな命令、あり?」
「いいや、断われば、降りられる」
「じゃ、降りて」
「それは、できない」
「どうして?」
「志願するからだ」
「だから、志願しないで」
「それは、できない」
「どうして?」
「・・・分らない」
エミリは、抱きついてきた。 「行かないで・・・」
ウルコフは、泣き出した。
「分らない・・・でも、それが俺の運命のような気がする」
エミリも、泣き出した。
「自分から死を選ぶのが、なぜ運命なの?」
「理屈じゃない」
「私は・・・許さないからね!」
立ち上がった。エミリは、車の方に歩いていく。ウルコフも立ち上がって、追いかけた。
「エミリ!おまえを愛している。だから、真実を話している。でも、母にだけは、志願したとは、言って欲しくない。頼む!」
両手でエミリの肩を掴んだ。
「離してよ!」
エミリは払いのける。二人は、黙って車に乗り、エミリの家まで送り、ウルコフは、家に帰った。
夕食が出来ていた。母と食事する。ウルコフが明るく話し掛けた。
「母さん、いよいよ、地球との決戦が近いうちにある。何人死ぬか分らない。覚悟しておいてくれないか?」
母は息子の顔を見て、
「おまえが死ぬ事なんて、考えたくもないよ。どうして軍隊になんか、入ったんだい」
「今さら何を・・・父さんに憧れたからじゃないか」
「私はいいよ。一人でも生きていけるから。でも、エミリちゃんは、どうするんだい?」
「ははは・・・心配ないよ。俺は死なないって!」
精一杯、明るく振舞った。 その夜は、眠れなかった。しかし、遺書は、書かなかった。
翌朝、またエミリが家までやってきた。
ウルコフは支度すると、
「じゃ、母さん、デートしてくる」
明るく笑って、出かけた。
エミリは、
「教会に行きたい」
と、言った。
「分った」
車を走らせ、町の教会に入った。エミリは、
「結婚式の真似だけでもしたい」
と、わがままを言った。ウルコフは、
「分った」
というと、神父に会いに行って、事情を話して、真似事をしてもらうことにした。
新婦は、教会にあったヴェールだけを頭に被った。二人が神父の前に立つ。
神父は「聖書」を持って、問いかけた。
「ウルコフよ、汝、健やかなるときも、病むときも、これを愛し、永久に妻とする事を誓うか?」
「はい。誓います」
「エミリよ、汝、健やかなるときも病むときも、これを愛し、妻となり、その魂を夫に委ねる事を誓うか?」
「はい、誓います」
「では、誓いのキスを・・・」
ウルコフは、そっとヴェールを上げて、エミリに口づけした。 家に帰ると、ウルコフは、マチアに、「母さん、明日の朝は、おはぎとしるこにしてくれ」と頼んで、その夜はぐっすり眠った。
朝起きると、おはぎとしるこが作ってあった。
「うまい、うまい」
バクバク食べる。
母は微笑んでいた。
「じゃあ、今度はいつ帰れるか、分らない」と、車に乗り込んだ。
母は見送って、「いつでも戻ってきな」と、手を振った。
「ああ」
それが、最後の母への言葉だった。
運転しながら、胸ポケットから、写真を取り出した。
それは、母・マチアの写真だった。
ウルコフは、基地のあの部屋に戻った。
人数を数えると、三十人、戻っていた。
全員だった。
待っていると、バルバス提督たちが入ってくる。
「起立!」
「敬礼!」
「休め!」
バルバスは、人数を数えると、
「済まない・・・どうしても、この作戦しか、思い浮かばなかった。今から、作戦を説明する。作戦室に入れ」
全員を、作戦室に集めた。
指揮棒で、テーブルの地図を指しながら、説明してゆく。 「このピラミッドは、核融合原子炉だ。エネルギーレベルは、液化水素の数億倍ある。もしこのエネルギーで兵器を造られたら、月を丸ごと破壊するほどの核兵器が出来てしまう。
また、この原子炉を破壊すれば、敵の兵器のすべての動力源を止める事ができる。そこで、破壊する方法だが・・・」
皆を見回してから、
「ピラミッドの四辺に、四つの排気孔がある。直径は十メートル、長さは数キロメートルで、直線である。ここに、正確な角度で、しかもブレが無い方法で、ミサイルを撃ち込むしかない。
しかし、ミサイルは必ずブレを生じる。たとえ穴に命中させても、数キロの通路を飛んでいるうちに、摩擦で爆発してしまう。そこで、・・・」
と、また、皆を見渡してから、
「一つの方法を考えた。宇宙戦闘機・デリアスなら、胴体直径は宇宙戦闘機の中で最も細い。即ち、爆弾を胴体の内部に詰め込み、機体ごと、排気孔に突入させる。
マッハ以上で、正確な角度で突入すれば、翼が吹き飛んで、胴体だけ原子炉まで、一気に滑り落ちる。分るか?脱出する方法は、無い」
パイロットの一人が質問した。
「胴体が原子炉に当たれば、原子炉は爆発するのですか?」
これには、参謀が答えた。
「爆発する。核融合爆発を起こす。地球全体が振動するほど、凄まじい爆発になる」
バルバスが続けた。
「核融合エネルギーが停止すれば、戦力は互角に成る。あとは、宇宙艦隊の決戦で、勝てばよい」
パイロットたちは、腕を組んでいた。
「どうだ?やれるな、おまえらなら。三十人居れば、一機は、突入できるだろう」
皆は、提督を見た。誰も返事はできなかった。
「三十機が限界だ。宇宙艦隊の決戦のため、これ以上は使えない」
一人が黙って提督に「敬礼」をすると、全員が「敬礼」をした。バルバスが「敬礼」を返す。
「頼んだぞ。月の運命がかかっている」 十三月下旬、ディアナ始まって以来の、戦争が開始されようとしていた。地球軍も、先の第一次宇宙海戦での損害を立て直して、真っ向から挑んできた。
ディアナ軍旗艦「ライファー」の艦橋では、突撃隊の「別れの水杯」が、行なわれていた。隊員たちは、自分たちの部隊を、「カミカゼ」と呼んでいた。
三十名の隊員は、横一列に並んで、一人ずつ、バルバス提督の杯を受け取って飲み干した。バルバスは、
「この決戦の勝敗は、諸君の成功如何にかかっている。頼むぞ!」
と、訓示した。全員、「敬礼」をすると、小型船に乗り移り、空母に向かった。バルバスは、司令室に入る。
「カミカゼが発進し次第、総攻撃を開始する!」
全軍に通達した。カミカゼ隊は、空母に移動すると、赤く塗られた機体の「デリアス」に、各々搭乗した。その中にウルコフも居た。彼は「十三号機」であった。ヘルメットから、交信が聞こえる。
「一号機、発進準備よし」
「二号機、準備よし」
「三号機、準備よし」
次々に報告する。十二号機の声が聞こえると、次はウルコフだった。
「十三号機、発進準備よし!」
士気は旺盛だった。三十号機まで報告すると、管制塔から、
「カミカゼ、全機発艦せよ!」
指示が下った。一号機から発進していく。
十二機が発進すると、ウルコフは、艦橋に向かって、「敬礼」をした。
「十三号、発艦する」
スロットルを全開する。機体は急発進して、空母を飛び立った。 旗艦・ライファーでは、
「カミカゼ、発艦しました」
と、報告があった。バルバスは、
「よし、全艦隊突撃、戦闘機は全機発進、駆逐艦は突進せよ」
戦闘命令を出した。
地球からは、星のような数の無数の大艦隊が向かってくる。
「敵戦闘機接近。味方戦闘機と交戦します」
通信員が報告する。
「敵の旗艦はまだ見つからんか?」
「索敵中です」
バルバスは、
(今回は、イクナシオンは出てきているかどうか・・・)
独り言を呟いた。
「カミカゼ」の三十機は、ディアナ艦隊の後方から、敵艦隊を避けるように、回り込んだ。目的の「ピラミッド」は、いま、地球の反対側にあった。
ウルコフは、操縦席の前に、母の写真を貼っていた。
通信が入った。
「こちら一号機、三隊に分かれる。散開せよ」
「了解」
三十機は、十機ずつ、三つに分かれた。従ってウルコフは、第二中隊の三番機になった。
「こちら一番機、ルートをインプットせよ」
「了解」
地球への侵入ルートをコンピュータにインプットした。すると、「ビー」と、警告が鳴った。ウルコフが報告する。
「こちら三番、敵潜水艦を確認。数は一隻」
「こちら一番、了解。二番機、指揮を移す。九機はルートを変更せよ」
「二番機、了解」
すると、一番機だけ、大きくルートを外した。何をするつもりか。
残り九機は、ルートを変更した。 一番機をレーダーで見ていると、敵の潜水艦にまっしぐらに向かっていた。
(まさか・・・)
見ていると、やはり、自爆する態勢である。やがて、衝撃波が観測されて、潜水艦も一番機も、信号を消した。ウルコフは「合掌」をする。
「こちら二番、敵潜水艦沈没、これより指揮を取る」
「了解」
旗艦・ライファーで、バルバスは怒鳴っていた。
「弾幕を脹れ!カミカゼはどうだ?」
「十一号機、敵潜水艦に突入し自爆、潜水艦は沈没!」
「他は?」
「残り二十九機、予定通り侵入中、まもなく大気圏に突入します!」
「よし、潜水艦を大気圏に突入させよ!」
あらかじめ地球の裏側で待機していた潜水艦部隊が浮上し、地球に突入した。
「シールドを張れ。大気圏突入」
カミカゼ隊も、大気圏に突入した。機体が燃え上がって、表面温度が数千度に達する。数分すると、大気圏を抜けた。
「敵機、接近中、これより単独行動」
「了解」
全機、散開した。敵の防空戦闘機が接近してくる。こちらは機体に爆弾を積んでいるので、空中戦は、難しい。
「こちら八番、被弾!」
やがて、八番機が大爆発して、レーダーから消えた。
遠方では、味方の宇宙潜水艦が、猛烈な砲撃で、敵戦闘機を撃墜していた。
「こちら二番、ピラミッドを捕捉。データを転送する」
「了解」
データが転送されてきた。ウルコフはコンピュータにインプットして、ルートを確保した。すると、「ビー」と、警告が鳴った。
「こちら三番、海に戦艦を確認」
「二番、了解」
マッハで飛んでいるので、数分でピラミッド上空に接近した。すると、別ルートから侵入した、二つのカミカゼがレーダーに映った。
「こちら三番、第一中隊、五機確認、第三中隊、七機確認」
「こちら二番、了解。第二中隊は八機。突入態勢に入れ」
「了解」
すると、海上の戦艦が、弾幕を張り始めた。これではピラミッドに近づけない。案の定、数機が大爆発した。ウルコフは、一旦上昇する。
すると、味方の宇宙潜水艦が、急速に高度を下げて、海上の戦艦に向かって突進を始めた。
「こちら潜水艦・ダグラス、戦艦に突入する」
通信が入る。宇宙潜水艦は、大気圏内では、魚雷を使えなかった。体当たりするつもりらしい。
敵の戦闘機をかわしながら見ていると、海上の戦艦がミサイルを撃ちまくり、味方の潜水艦は、被弾しながら、空から戦艦に向かって突っ込んでいった。物凄い大音響と共に、二隻の軍艦が大爆発する。
上空では、まだ数隻の潜水艦が、自分たちを護衛していた。
「こちら潜水艦・フィリップ、カミカゼ、突入せよ」
「こちらカミカゼ二十一号機、了解」
残っている「カミカゼ」は、十二機しか無かった。一斉に、突入態勢に入る。 ウルコフも、機を急降下させた。敵の基地からは、物凄い弾幕だった。次々にカミカゼが一機、二機と、空中爆発する。
「こちらカミカゼ十三号機、排気孔を確認した!」
ウルコフが叫ぶ。排気孔の角度を計測して、同じ角度で弾道飛行をセットした。もう、「ブレ」は許されない。
「エミリ・・・母さん・・・」
母の写真を右手に取って、左手で操縦桿を握り締める。排気孔が見えてきた。
「エミリー!!」
ドーン、と、機体が穴に突っ込んで、翼が吹き飛ぶ。そして、胴体だけ、通路を突進していった。
やがて、大音響と共に、「きのこ雲」が、巻き上がった。核爆発である。上空の潜水艦たちも、すべて巻き込まれた。
「地球で振動を確認!」
通信員が叫ぶと、
「地球の映像を出せ!」
バルバスが叫ぶ。見ると、まさに地上で、「きのこ雲」が立ち上がっていた。凄まじい爆発であった。
「攻撃を強めよ!」
ディアナ軍は、攻勢に出た。
「提督!敵の旗艦を発見しました!」
「よし、全軍、敵旗艦を攻撃せよ!」
ディアナ軍は、イクナシオンの旗艦に攻撃を集中した。戦闘攻撃機が、その艦に殺到する。やがて、その旗艦が、爆発、遂に沈没した。
敵の将軍らしき人物から、交信が入る。
「私は地球連邦軍宇宙軍司令官・ケルベス、総統イクナシオン閣下は戦死された。降伏する。繰り返す。降伏する」
バルバスは、立ち上がって、
「全軍、攻撃を中止せよ!」
遂に、決戦の幕を閉じた。 「宇宙大戦」が始まってから、エミリは、マチアの家に泊まり込んで、ウルコフの部屋を使っていた。
テレビで「ディアナの勝利とイクナシオン総統の戦死」を聞くと、マチアは大変に歓んだ。エミリは本心を隠し、一緒になって歓んだ。
しかし、数日後、一人の軍人が、家を訪ねてきた。二人が玄関で迎えると、その軍人は、帽子を脱ぎ、一礼して、こう言った。
「ご報告申し上げます。ご子息、ウルコフ=バスリンク中尉は、名誉の戦死をされました。
提督より、ぜひとも、ゴールドイーグル勲章を、授与したいとの事ですので、明日、戦勝式典において、ご出席を願います」
マチアは、それを聞くと、崩れ落ちた。エミリとその軍人が抱きかかえる。
「お母さん、しっかりなさって下さい」
エミリが必死に庇う。軍人は、
「無念です。優秀なパイロットでした。ぜひとも、明日の式典には、ご出席下さい」
マチアは、嗚咽して、返事ができなかった。代りにエミリが返事をした。
「分りました。出席させて頂きます」
「有難うございます。明日の午前十時、迎えに参ります」
軍人は、帽子を被り、「敬礼」をして、去った。
「お母さん、しっかり・・・」
「あの馬鹿者が・・・」
崩れたまま、マチアは息子を罵った。
「お母さん・・・」
宥めているエミリも、涙をボタボタ床に垂れ流していた。 翌日、盛大な戦勝式典が執り行われた。マチアはバルバス提督から、軍人最高の勲章を授与された。
大観衆の中、居並ぶ軍人と、戦死した兵士の家族が並び、「月の歌」を斉唱した。
月影の 至らぬ里は 無けれども
眺むる人の 心にぞ澄む
マチアは、勲章を首に掛けていたが、旗を見る事は無く、背を丸めて、ただただ、俯いていた。
エミリは常にマチアに寄り添っていた。胸を張って、旗を見上げ、小声で斉唱した。涙が溢れて止まらなかった。
夜、海に一人で行った。エミリは、星を眺めていた。
「どの星だろう・・・」
ウルコフの星を探した。そのとき、一筋の流れ星が走った。
「あ・・・」
エミリは、一人で叫んだ。
「ばかやろーッ!」
叫び終わる前に、流れ星は消えた。
大きな青い惑星が、夜空に浮かんでいた。
(母を頼む)
ウルコフの声が聞こえた。エミリは、ただひたすら、一人で泣きじゃくった。
(了) 小説「故郷への凱旋」
故郷への凱旋
・・・私はこの作品を、すべてのハンセン病患者に捧げる・・・
昭和十七年春、十八歳の小宮山浩作は、家で母・オキナと食事をしていた。
「きっと戦闘機乗りになる」
息子が言うと、母は、
「戦闘機は危ないよ。偵察機とか、そういう安全な飛行機にしな」
しかし息子は、
「男なら、零戦(れいせん)だよ。敵をバッタバッタと、撃ち落すんだ」
「零戦はそんなに凄いのかい?」
「世界一の戦闘機だ。ドイツのメッサーシュミットや、イギリスのスピットファイアや、アメリカのグラマンより、はるかに、はるかに」
「困ったもんだねえ。父さんは中華事変で戦死して、息子はおまえだけだ。何とか、生きて帰ってきて欲しいけどねえ」
「母さん、御国のために、出征するんだ。御国のためは、家族のため。母さんのためなんだよ」
「そんな屁理屈・・・」
食べ終わると、
「じゃあ、行くよ」
立ち上がった。母は見送りに出る。家の周りでは、近所の人たちが、日の丸を振って、歓声を上げた。
「頑張れよ、浩作!」
「コウちゃん、英雄になって帰ってくるんだよ!」
思い思いに声援を送った。迎えに来ていた兵隊が、
「さあ、小宮山、行こうか」
声を掛けると、
「はい!」
と、まだ赤い頬で返事をした。
皆は「ウオー」と、大歓声を上げる。母は、一応、皆の前では、笑っていた。そして、一人息子は、旅立った。 浩作は、霞ヶ浦の予科練で、訓練を受けた。そして、卒業を迎える。七つボタンの制服で卒業式を迎えると、いよいよ、配属の発表だった。順番に、名前が呼ばれる。そして、浩作の番だった。
「小宮山浩作!」
「はい!」
「ラバウル海軍航空隊!」
「はっ!」敬礼した。
浩作は、日本軍最強部隊、いや、世界最強部隊の、ニューブリテン島・ラバウルに配属になった。
同期の数人と共に、輸送船で、ラバウルに着任した。昭和十八年春だった。上陸すると、上官が出迎えた。名前を確認すると、
「ついて来い」
基地へ向かう。浩作は頬を紅潮させていた。
(世界最強の精鋭に選ばれた)
それだけで、興奮が収まらない。上官の後について、歩いていく。
そのときだった。
「ウイーーーーン」
と、けたたましくサイレンが鳴った。上官が、
「しまった。来やがった」
と、手をかざして、海の方を見ている。浩作たちも、そちらを見た。すると、空から、どす黒い塊が、近づいてきた。
「野郎、アメ公め・・・」
そういうと、
「おい、おまえら!」
「はい!」
「適当に基地で待ってろ。俺も飛ぶ」
そういうと、走り出して、去ってしまった。浩作たちは、歩きながら、基地に向かうが、見ていると、空の塊が、どんどん迫ってくる。そして、一機、二機、三機、・・・と、地上から、零戦が飛び立つ。 アメリカ軍の空襲だった。それを、ラバウル航空隊が迎え撃つ。見ていると、敵の編隊と、味方の編隊が、空で交差した。
そして、入り乱れ、やがて、火を吹いて墜落してゆく機体が、一機、また一機と、現われた。零戦は、まず爆撃機を狙っているらしい。
大型の航空機が、次々と墜落してゆく。しかし、中には、零戦が、敵戦闘機にやられて、墜落していた。
一時間も経ったであろうか。やがて、両軍は散らばって、アメリカ軍は帰投していった。
迎撃に向かった零戦が戻ってくる。
「おい、出迎えよう」
だれかが言うと、浩作たちは、戻って来る味方を出迎えに行った。中には、被弾して、血を流している飛行兵も居る。整備兵たちが、それらを抱き抱えて、診療所に連れて行く。
「すげえ・・・これが、戦争か」
誰かが唸った。すると、一人の飛行兵が、近づいてきた。階級章を見ると、「一等飛行兵曹(一飛曹)である。
自分たちは「二等飛行兵曹(二飛曹)」だから、たかが一階級上である。新米の連中は、挨拶程度に「敬礼」をした。するとその一飛曹は、
「あほんだらーーっ」
と、全員を殴り倒した。
「な、なんです、か・・・」
と、反抗した新米は、もう一発、殴られた。訳が分らない。
「貴様ら! 何を見ている! 大将のつもりか!」
怒号が轟く。
「す、すみません。初めてなもんで」
と言った新米にも、もう一発鉄拳が下った。
「な、・・・」
と、皆、ただただ、怯えている。一飛曹の飛行兵は、
「貴様らも手伝わんか! ろくに戦闘できな奴が、偉そうにするな!」
「は、はい!」
と、全員立ち上がって、とにかく、負傷者を探したが、もう、皆運ばれていた。
「どうしよう」
と、おろおろしていると、
「おい」
と、今度は「上等飛行兵曹(上飛曹)」が、声を掛けてきた。
「なんや、おまえら?」
すると浩作が、
「は、はい! 今日、着任しました!」
そういうと、
「ふん」
と、無視して、行ってしまった。 とにかく、訳が分らない。みんな、何を怒っているのか???
すると今度は、「少尉」の階級章を付けた飛行兵が寄ってきた。これには、さすがに、驚愕した。みな、一斉に、「敬礼」をする。すると少尉は、「敬礼」を返してきた。そして、
「おまえら、誰なんだ? さっきから見ていると、うろうろしているだけじゃねえか」
「は、はい! 小宮山二等飛行兵曹であります!」
すると、みんなが、順番に名乗った。
「ああ、分った。新米だな」と、少尉。
「はい。ただ今、着任しまいたいしまいた!」ろれつが回らない。
「ついて来い」
そう言って、歩き出した。皆は、少しホッとする。付いていった。
基地に入る。飛行兵たちが、飛行服を着替えていた。浩作たちが部屋に入ると、皆が一斉に「ジロ」と、睨んで、無視した。ビビッていると、少尉は、「じゃ」と、どこかへ行ってしまった。
浩作たちは、呆然と立っている。すると、また一人、「一飛曹」が寄ってきて、真ん前に立った。
「おい」
「はい!」
「予科練で習わなかったのか?」
「は、何をですか?」
「馬鹿やろーーーっ!」
「ひえー」
また、大怒号である。とにかく、緊張して、訳が分らない。するとその一飛曹、
「挨拶だよ、挨拶! 阿呆か、おまえら!」
やっと、何を怒られているのかが、分った。
「は、はいっ。小宮山二飛曹、着任しました!」
と、また順番に、挨拶する。するとその一飛曹、耳に手をやって、
「はあ? いま、何か言ったか? 聞こえんぞ」
すると浩作たち、力の限り、咽が破れんばかりの大声を張り上げた。
「こみやまにひそうであります!!!」
と、皆が力を振り絞って、「挨拶」をすると、
「ははは」
と、部屋のみんなが、初めて、笑い始めた。 「よおーし・・・」
と、一飛曹は、
「俺は、坂川一飛曹だ。おい、おまえ」
と、浩作を呼んだ。
「はっ」
すると、また、耳に手をやる。浩作は、
「はいっっ!!!」
と、力の限り、声を振り絞った。
「来い」
と、ベッドの方に行き、座ると、軍靴を脱いで、
「磨け」
浩作は、
「はいいい!!!」
と、返事をする。軍靴とブラシをもらうと、しゃがんで磨き始めた。
(やれやれ・・・これから、どうなるか・・・)
その夜は、爆睡した。 浩作たち新米は、数日間、おろおろして過ごした。とにかく、何をしていいのかが、分らない。その間、敵の空襲は無かった。
数日後、やっと、上官に呼ばれた。「大隊長」の部屋に一人で行く。
「小宮山二飛曹、入ります!!」
でかい声で挨拶して、入った。「大尉」の階級章を付けた、若い将校が机に座っていた。
「おう、小宮山か。座れ」
机の前の椅子を勧める。
「失礼します!!」
浩作は、律儀に座った。
「どうだ。ラバウルは?」
「はい! 私も早く飛んで、敵機を撃墜したいです!!」
大隊長は、笑った。
「今日から、栗屋大隊・第二中隊の長谷川小隊三番機を命ずる。小隊は三機で一小隊、三小隊で一中隊、栗屋大隊は、四中隊、大隊長と大隊付の二機を合わせて、全部で三十八機だ。覚えておけ」
「はっ!!」
「俺は、大隊長・栗屋大尉だ。よろしくな」
小宮山は、立ち上がった。
「はっ!! よろしくお願い申し上げます!!」
部屋を出て、飛行場に向かった。いよいよ、自分に飛行機が与えられる。ワクワクした。整備兵たちに聞いて、「長谷川小隊長」を探した。
「飛行兵曹長(飛曹長)」の階級章を付けた若い人が、零戦の傍に居るのを見つけて、走り寄った。
「失礼いたします!!! 小宮山二飛曹であります! 大隊長の命令により、長谷川小隊長のもとに参りました!」
すると、その小隊長は、
「おお、小宮山か。今日から、俺の三番機だ。おまえの乗る飛行機を見せよう」
「はい!!」
付いていくと、ちょっと古いが、しっかりした機体の、零戦の傍に来た。浩作は興奮する。 「これが、おまえの搭乗機だ。尾翼に「K384」と書いてある。覚えておけ。
「は、はい!」
「どうだ。飛んでみるか?」
「い、いいのでありますか?」
「もちろんだ。俺に付いて来い。さあ、着替えてこい」
「はははい!」
小躍りして、兵舎に駆け込んで、飛行服に着替えた。部屋に居た誰かが、
「何を慌てている? 空襲か?」
浩作は、
「飛行機を与えられました。今から初めて飛びます!」答えた。
「はっはっは。そりゃよかったな!」
浩作は、すぐに自分の愛機に向かった。整備兵が整備している。長谷川小隊長が待っていた。
「さあ、乗れ」
浩作は、梯子を伝って、コックピットに乗り込んだ。小隊長が翼に乗って、指示してくる。
「基本操作は知っているな?」
「はい! これが、操縦桿、これがスロットル、これがフットバー・・・」と、自分で説明する。
「零戦は練習機の赤とんぼとは違う。速度も旋回能力も桁違いだ。
いいか、これが、機首の7カンマ7ミリ機銃のスイッチ、操縦桿のノブのボタンが、機翼の20ミリ機関砲だ。
機銃は、撃ち続けると、数分で弾が切れる。撃つ時は、タタン、タタン、と、数発づつ撃て」
「は、はい」
「今、小川さんが空砲を入れてくれている。この機を担当する整備兵だ。挨拶しろ」
見ると、機体の下で、その人が弾丸を込めていた。浩作は大声で、
「小川さん! 小宮山二飛曹です! これからよろしくお願いします!!」敬礼する。
小川さんは、ニコ、と笑って、
「頑張れよ。にいちゃん」
敬礼を返した。小隊長は、「おい」と、下に居た「一飛曹」の飛行兵を呼ぶ。
「はっ」と、その人も翼に乗ってきた。
「二番機の斎藤一飛曹だ。今から、三機で練習だ」
「よろしく。斎藤一飛曹だ」
浩作は「敬礼」して、
「よろしくお願いします! 小宮山二飛曹であります!」
「元気がいいですな」
長谷川と斎藤が笑った。
「よし、飛ぶぞ。とにかく、俺たちに付いて、同じ飛び方をしろ。俺たちはくっついて飛ぶが、おまえは馴れるまで、二十メートル離れて飛べ。衝突されたら叶わんからな」
「はい! 分りました!」
「よし、エンジン点火!」
「エンジン点火!」
復唱し、スイッチを回す。キュルルル・・・と、三つのプロペラが回り始めた。ポン、と、浩作の頭を叩くと、長谷川と斎藤は、下へ降りた。それぞれの愛機に乗り込む。浩作は、興奮して、体が震えてきた。 整備兵の小川が乗ってきた。
「今日は、撃ちまくってもいいぞ。空砲だからな。でも、絶対に小隊長を狙うなよ」
冗談を言う。
「は、はい!」
見ると、長谷川が手を振っている。
「二人に付いて行け」
と言うと、小川は降りた。見ると、長谷川機が、動き出した。二番機の斎藤機も動き出す。浩作は、小川に「敬礼」をして、風防を締め、スロットルを上げた。機体が、動き始める。
「母さん、俺、戦闘機乗りになったよ」
独り言をいいながら、操縦桿を握る。長谷川機と斎藤機は、滑走路に入り、滑走を始めた。浩作も、付いていく。
まず、長谷川機が、滑走を初めて、飛び立った。次に、斎藤機が、飛び立った。浩作は、スロットルを上げて、滑走を始めた。機体が走り始める。50キロ、100キロ、と、速度が上がる。風景が、後ろに流れる。
スロットルを全開して、操縦桿を引いた。フワ、と、零戦が飛んだ。そのまま真っ直ぐ、空に向かう。
前の二機は、ゆっくり飛んで、待っている。浩作は速度を上げた。二機に追い付いて、二十メートル後ろに付く。
長谷川機が、機体を振った。すると、二機は、右と左に急旋回する。浩作は、小隊長の方に付いていった。すると、上から、何かが、こちらに向かってきた。
そして、ぴったりと真後ろに付かれる。長谷川が急上昇する。工作も上昇した。しかし、後ろの機は、付いてくる。良く見ると、斎藤だった。
「くそう。振り切ってやる」
勝手に、右に急旋回した。長谷川は、左に急旋回した。斎藤は、浩作の後ろに付いてくる。振り切れない。すると、長谷川が、斎藤の後ろを取った。斎藤は旋回して、逃げた。
長谷川が、浩作の横に付いた。斎藤の方に指を指す。浩作は「敬礼」した。斎藤を追いかける。斎藤は、わざとゆっくり飛んでいた。浩作は、その後ろを取った。操縦桿のノブに親指を掛ける。
「ドドドドー」
と、機銃が空砲を発射して、機体が振動した。斎藤は旋回して逃げる。わざと下手な逃げ方をしている。浩作は、追いかけた。すると、ヒューンと、少し離れた所を、オレンジ色の実弾が掠めた。
「敵か!」
と、驚いて後ろを見ると、長谷川だった。浩作は冷や汗を掻く。斎藤を放って、旋回して逃げた。
一時間ほど練習すると、三機は、地上に降りた。浩作は、機体を降りて、長谷川に駆け寄る。
「小隊長!」
「どうだ? 零戦の感じは?」
降りながら聞いてくる。
「はい、最高です!」
「そうだろう」と、話し掛けたのは、斎藤だった。
「おまえ、なかなかセンスいいぞ」褒めてくる。
「ありがとうございます!」
三人は、兵舎に向かって、歩き始めた。 「これからは、三人、どこでも一緒だ。早く腕を磨け、小宮山」長谷川が激励する。
「はい!」
まだ興奮おさまらず、浩作は、その夜は、眠れなかった。
数日後、またアメリカ軍の空襲があった。「ウィーン」と、空襲警報が鳴り響く。昼の食事をしているときだった。
「小宮山、来い!」
長谷川が食事を放り出して、部屋に向かう。浩作も付いていった。急いで飛行服に着替える。
「行くぞ!」
「はい!」
浩作の初陣だった。武者震いしてくる。ずらっと並んだ零戦に、大勢の飛行兵が一斉に駆け寄る。浩作も、自分の機に乗り込んだ。無線を操作する。
「こちら長谷川、小宮山、聞こえるか?」
「はい。聞こえます」
「日本の無線は壊れ易いからな、壊れたら、とにかく俺のケツに付いて来い」
「はい。分りました」
「いくぞ! 斎藤、いいか」
「こちら斎藤、発進準備よし」
「俺に続け」
次々に零戦が発進していく。空を見ると、あの、着任していた日のように、黒い塊がこちらに向かってきていた。
「母さん、見ていてくれ」
「いくぞ!」
見ると、長谷川が滑走を始めた。続いて、斎藤が走り始めた。浩作は、スロットルを上げて、発進を始める。機体が滑走する。
充分に速度を上げたところで、スロットルを全開して、操縦桿を引いた。機体がフワ、と、浮かび上がる。
長谷川と斎藤と浩作は、編隊を組んだ。
「こちら大隊長、先に爆撃機を狙う。第二中隊は戦闘機を引き付けろ」
「こちら第二中隊長、了解」
すると、九機が、大きく突進した。
「ついて来い、小宮山」
「はい」
とにかく長谷川にピッタリ付いていった。
敵も、戦闘機が突進してくる。中隊は、高度を上げた。すると、敵も高度を上げてきた。
「ソウドウが居るぞ。斎藤、気を付けろ」
「了解」
「ソウドウ?」と、浩作が言うと、長谷川は、
「胴体が二つある戦闘機だ。ロッキードP38だ。あれには気を付けろ」
「珍しいですね」
「グラマンも前のF4Fじゃない。新型のF6Fだ。馬力が強い」
「了解」
遂に、両軍は交差した。
「こちら中隊長、小隊行動」
「長谷川、了解」
「三上、了解」
今度は、三機での行動になった。すれ違いざま、敵が機銃を撃ってきた。長谷川は急旋回した。斎藤と浩作も付いていく。 「二時のグラマン四機を狙う」
「了解」と斎藤。
「了解」浩作も返事した。
右に捻り、上からグラマンの編隊を取った。ドドドド、と、長谷川が機銃を撃つ。グラマンは、散開した。長谷川は先頭の機を追った。斎藤は右の機に付いていった。浩作は、
「ならば」
と、左に旋回した。グラマンの後ろに付く。ドドドド、と、機銃を発射するが、全然当たらない。更に追う。また、ドドドド、と、発射するが、外れた。敵が右に急旋回する。浩作は喰らいつく。また、ドドドド、と、撃つが、当たらない。
「クッ。難しい!」
どうしても、当たらない。掠りもしなかった。それでも、なお、食いついた。敵は左に急旋回する。こっちも付いていく。敵は、右、左、右、と、捻って振り切ろうとする。それを追う。
すると敵は、ローリング(横回転)をした。すると、なんと、自分の機が、敵の前に飛び出してしまった。
「しまった!」
ドドドド、と、今度は敵に追われる立場になった。必死にかわす。
「小宮山! 小宮山!」と、長谷川。
「はい! 振り切れません!」
「いま行く。三時に逃げろ!」
「はっ」
と、右に急旋回した。ドーンと、機体が振動した。
「やられました!」
「落ち着け! 煙は出ていない。燃料計は減っているか?」
「いいえ!」
「貫通しただけだ。落ち着け!」
「はい!」
体がガタガタ震えてきた。すると、前方から、零戦が一機、突っ込んできた。
「うわっ」
と、思わず頭を下げる。ドーンと、爆発音がしたのは、後ろのグラマンだった。ウオーンと、煙を吐いて高度を下げていく。
「大丈夫か、小宮山」
「はい」
「今から前に行く。そのまま飛べ」
「はい」
真っ直ぐ飛んでいると、さっきすれ違った零戦が前に出てきた。 「おまえはまだ一人では無理だ。俺に付いてこい」
「了解」
「しまった! ソウドウだ!」
と、長谷川は、左の方を見ている。そちらを見ると、なるほど、胴体が二つある、異様な形の戦闘機が、一機、こちらに向かってきていた。
「小宮山、逃げろ!」
「はい」
分らないが、とにかく上昇して、雲のほうに向かった。長谷川を見ていると、その「双胴」と、やり合うつもりらしい。
「小宮山」
「は?」
「斎藤だ。小隊長を援護する。俺に付いてこい」
「はい」
斎藤の零戦が、寄ってきたので、それに付いた。長谷川は、「双胴」と空中戦をやっていた。
その上空から、双胴に向かって、突進した。斎藤が機銃を撃つ。浩作も撃った。すると双胴は、当たっていないのに、プロペラが止まって、落ちていった。
「やった!」
と、浩作が叫ぶと、
「ちがう! 曲芸だ!」と、斎藤。
見ると、双胴のプロペラが回り始めて、急降下して、どこかへ行ってしまった。
「追いますか? 小隊長」と、斎藤。
「三機でも無理だ。止めておけ」
「そうですね」
結局、その日、浩作は、二発の被弾を受けただけで、戦果は上げられなかった。 その夜、浩作が夕食を食べていると、長谷川が横に座った。
「どうだ、初陣の気分は?」
ちょっと考えてから、
「弾が当たらないのには、驚きました」
「弾か・・・まあ、経験だな」
「ところで小隊長」
「ん?」
「あの、双胴って、何者なんです?」
「ああ、もう、六機撃墜されている。物凄いパイロットだ。いいか、出くわしたら、一目散に逃げろ。おまえでは、まだ勝てない」
「そんなに凄いんですか?」
「見ただろう? 空中戦で曲芸をやる奴だ。俺も見たが、機体に日の丸が三十八個付いていた」
「どういう意味です?」
「三十八機撃墜しているんだよ。俺にも星が十七個書いてある」
「ええ」
「おまえも、早く愛機に星を書けるようになれ」
「はい」
「ところでどうだ、今夜、上陸するか?」
「どこへです? 戦争があるんですか?」
「はは、遊郭に上陸だよ」
「ああ・・・」
「行ったことあるか?」
「いえ、無いです」
「なら、付いて来い」
「は・・い・・・」 それで、ラバウルの遊郭に行く事になった。長谷川は、
「夜は、上官も部下も無い。長谷川、でいいぞ」
「はい、小隊長」
長谷川は、浩作の頭を撫でた。遊郭に入る。
「いらっしゃい。おや、ハセさん、弟さんですか?」
「ああ。コウちゃんだ。よろしく」
座敷に案内された。芸者が踊り、二人で酒を飲んで、はしゃいだ。
「コウちゃんは、いくつ?」
「じゅ・・・じゅうくです」
「あらあ・・坊やね。今夜はお姉さんが、お相手してあげるわ」
長谷川は、笑っていた。
「ぼうや、ドウテイ?」
「え?」
「女性を抱いた事は、おあり?」
「ななな・・ないです」
「じゃあ、お姉さんが、教えてあげるわね」
芸者が擦り寄ってきた。胸の谷間が雪のように白かった。浩作は、興奮してしまった。
「まあ・・・ハセさん」
「なんだ?」
「この子、興奮してるわ。早くしてあげないと」
「ああ、連れていっていいよ」と、長谷川。
「じゃ、行きましょう」
「ど、どどこへですか?」
「部屋に決まっているじゃないの」
長谷川は、
「今日は、コウちゃん、空でも初陣だったんだ。一機落としたぜ。夜も初陣だな。はっはっは!」
酒を飲んで大笑いしている。
「さあ、コウちゃん」
芸者が誘う。興奮しながら、浩作は、付いていった。 小さな赤い部屋に入る。布団が敷いてあった。
「さあ、コウちゃん、脱いで」
と、芸者は服を脱がし始めた。そして、裸にすると、アレをくわえてきた。
浩作は、大興奮する。芸者は、浩作の手を、自分の乳房に誘った。浩作は興奮しまくって、すぐに出してしまった。
「げきつーい!」と、芸者。
「なによ、コウちゃん。まだ何もしてないじゃない。さあ、もう一度」と、自分も、裸になった。浩作は、」また興奮してきた。
「さすがに若いわね」
一緒に布団に入る。
「お姉さん」
「なに?」
「ここはラバウルだぜ。戦争しているのに、なんでこんなところに居るんだ」
「従軍慰安婦だよ」
「ウーン・・・兵士を慰めているのか?」
「それが、私たちの勤め。私らも、戦争しているんだよ」
「朝鮮人か?」
「・・・」
「きれいだな。朝鮮人は・・・」
浩作は、朝鮮人に、童貞をあげた。